「巨人０－９阪神」（８日、東京ドーム）

　阪神・高山の動きを見ると、迷わずベンチを飛び出した。山口俊の自滅の流れをさらに加速させたのは、死球を巡った金本知憲監督によるリクエストの成功だった。「高山のアピールで、これは本当に当たってるなと思ったんで」。大勝につながる大きなポイントとなった。

　二回だ。１死から福留が四球、糸原が死球で出塁。一、二塁となって高山が打席へ。１ストライクから２球目の足元への変化球は、一度ボールの判定となったものの、高山が左足に当たったことを強くアピール。それを見た金本監督がリプレー検証を要求し、死球の判定に覆った。

　試合後は「（演技？に定評のあった）達川さん（現ソフトバンクヘッドコーチ）だったら行ってないかも」と笑ったが、高山を信じたリクエストで満塁となり、相手の失策や、秋山の適時打、鳥谷の犠飛で３点を奪った。

　山口俊の乱れもあったものの、四球を選んだ粘りや１球にかける執念が実った形でもある。前回の巨人３連戦は、甲子園で３連敗。試合後には選手に精神面の奮起をうながし、翌日に全体練習を敢行したほど。まずは１つ借りを返した形だ。

　「僕は悔しさを持ってるしやり返したい気持ちを持って来てますし、選手もそういう気持ちを持って戦ってくれてると思うので」。９日もどん欲にリベンジの勝利を狙う。