秋山、二刀流でねじ伏せた 8年ぶり完封&2年連続本塁打 九回志願127球3勝目
「巨人0-9阪神」(8日、東京ドーム)
虎の二刀流が真骨頂の活躍で宿敵巨人をねじ伏せた。阪神・秋山拓巳投手(27)が8年ぶりの完封&1号ソロ含む2安打2打点。阪神投手が完封した試合で本塁打を放つのは史上7人目、36年ぶりの快挙だ。打線も今季最多9得点で圧倒。巨人戦の連敗を5で止め、3連勝で貯金3とした。
持てる力を全て出し切った。127球目、マギーの遊ゴロが一塁・山崎のミットに収まった瞬間、ホッとした表情を浮かべた秋山。大歓声を浴びながら、ナインとハイタッチを繰り返す。自身初の2試合連続完投勝利は、8年ぶりの完封勝利となった。
「自分じゃないみたいです。8年ぶりというのは本当に恥ずかしいことなんですけど。週の頭を任されて、序盤から援護をいただいて、一人で投げ切れたことは、先発の役割を果たせたなと充実しています」
ヒーローインタビューで、1年目の2010年9月12日以来となる完封勝利の喜びをかみしめた。余力は残っていない。全力で巨人打線に立ち向かった。先頭打者を一度も出さず、三塁も踏ませない。走者を背負わない場面でも、セットで投げるなど試行錯誤しながら隙を与えなかった。
前回・1日のDeNA戦では九回に1点を失い完封勝利ならず。今回は逃すわけにはいかない。「飛ばしてきてバテてきていた。上位打線だったので、即答はしなかったですけど。『行かせてください』と言いました」。八回を投げ終え、金本監督から続投の意思を問われると、力強く言い切り最終回のマウンドへ向かった。
打撃でも魅せた。四回だ。2死から外角直球をフルスイング。「びっくりしました」。強烈な一撃は左翼ポール際へ。通算2本目となるソロ本塁打。二回にも適時打を放っており、2安打2打点の“二刀流”で躍動した。
9年目。昨季はチームトップの12勝を挙げたが、慢心は一切なかった。「相手も研究してくると思うので、同じようにはいかない」。オフからこれまでのカーブよりも球速が速いナックルカーブに挑戦して習得。カウントを取るだけでなく、決め球としても大きな武器となっている。
連勝でつかんだ3勝目。「次回以降打ち込まれるようなことがあれば話にならない。2回いいことがあったので、気を引き締めて後悔しないように準備したい」。投手の柱として、目線は次戦へと向いている。