ドラ5谷川、収穫一敗 阿部に洗礼3ラン被弾も「経験プラスに」

 「巨人4-2阪神」(10日、東京ドーム)

 一度も表情が緩むことはなかった。阪神のドラフト5位・谷川昌希投手(九州三菱自動車)が唇をかみ、悔しさをにじませる。両親ら家族がスタンドから見守る中、プロ初先発初登板は4回を投げて5安打3失点で初黒星。大舞台のマウンドに立ち、全身で感じ取ったプロの厳しさ。自信と反省。自らを成長させる66球となった。

 「1球の怖さや甘さをすごく感じた。緊張もありましたけど、初回の入りは大事にいきました。この経験をきっかけにプラスになるようにしていきたい」

 深呼吸をして向かった立ち上がりは、抜群の制球力を見せつけた。初回、先頭の坂本勇から外角スライダーで空振り三振を奪うなど三者凡退。堂々としたマウンドさばきで順調な滑り出しを切った。

 二回には失策で無死から走者を背負ったが、後続を断ち無失点。「エラーが絡んだ場面でゼロに抑えられたのはよかった」と、粘り強い投球で巨人打線に得点の隙を与えず。要所を締めた。

 しかし、二回り目に入った巨人打線につかまった。“プロの洗礼”を浴びたのは三回だ。坂本勇、吉川尚の連打などで2死二、三塁。このピンチで4番・阿部を打席に迎えた。「1球目にインコースを厳しくいって、2球目は甘くなってしまった」。143キロ直球を弾丸ライナーで右翼スタンドへ運ばれた。先制3ラン。痛恨の一発となった。

 四回は筑陽学園の先輩でもある先頭の長野を死球で出塁させたが、ゼロに封じた。香田投手コーチは「長打を打たれたのは残念」としつつも、「非常にいいボールを投げていたし、投げっぷりもよかった」と今後に期待を寄せた。

 11日の広島戦で先発する能見が出場選手登録されるため、谷川は抹消される予定。金本監督は「もう一回、どこかではあると思う」と次回登板日は未定だがチャンスを与える可能性を示唆した。逃した記念星。経験を糧に、2度目の登板でつかみとってみせる。

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