江越、逆襲へファイト一発!今季1号 零封阻止!4安打貧打線に一筋の光
「広島14-1阪神」(11日、マツダスタジアム)
乾いた衝撃音を残して、打球がピンポン球のように飛んでいった。大敗の中に差し込んだ一筋の光。2試合連続でスタメン起用された阪神・江越が、唯一の得点となるソロを中越えに運んだ。
10点ビハインドの六回の第3打席。ジョンソンに対してフルカウントまで粘り、6球目を捉えた。完璧な当たりの今季1号に球場はどよめく。2016年8月14日・中日戦(京セラドーム)以来、実に2年ぶりの本塁打となった。
「追い込まれてから何とか粘っていこうと思って、その結果、ホームランになってくれた」と振り返る表情に笑みはなかった。14点を奪われて敗れた試合結果に「それはもちろん」と悔しさをあらわにし、肩を落としてバスに乗り込んだ。
高い身体能力を誇りながら、頭角を現せないでいた。昨季はウエスタン・リーグワースト3位の98三振。ミート力を高めるために、今季から打撃フォームを改造した。「そのまま(最短距離で)出せるように」とコンパクトに構え、打席の中ではタイミングだけに意識を置いた。
不器用ながらも懸命な姿が心を打つ。昨季江越を指導した当時の掛布2軍監督は、教えたことに対して愚直なまでに取り組む姿勢を高く評価。「何とかしてやりたい」と思わせるものを持っている男だ。
やられっぱなしでは終わらなかった。未完の大器の一発が明日への希望。レギュラー奪取へ、さらなるアピールを続ける。