金本監督 首位と6差崖っぷち 3失点の小野に苦言「もったいない」

 「中日3-2阪神」(19日、ナゴヤドーム)

 期待が大きいだけに踏ん張って欲しかった。阪神の金本知憲監督(50)は7回3失点と先発の役割を果たした小野泰己投手(23)に対し、あえて苦言を呈した。無駄な四球と、不用意な失投。将来のエースとして成長するためにも、勝負どころでのミスをなくすことを要望した。試合は打線が相変わらずの低調ぶりで、投手陣を援護できず惜敗。再び4位に転落した。

 勝ちきってほしかった。小野が次代のエースになれる逸材だからこそ、あえて金本監督は2つのミスを指摘した。不意に与えた大野奨への四球、ビシエドとモヤへの失投-。「あの四球がかなり大きかったと思うわ」と指揮官は顔をしかめる。

 五回、先頭の福田を左前打で出塁させたが、続く高橋を投ゴロ併殺打に仕留めた。8番の大野奨でイニングを終わらせれば、課題の三回り目となる六回を9番のガルシアから始めることができた。

 だが大野奨に対していきなり3ボールとなり、粘られた末に四球で歩かせた。続くガルシアを打ち取ったが「六回が9番から始まるのと1番から始まるのではね。もったいないと感じた」という悪い予感は的中する。

 六回、京田、大島の連打などで無死一、三塁のピンチを招いた。アルモンテは丁寧な投球で打ち取ったが、1死二、三塁から4番・ビシエドには内角高めのボール球を要求した初球がど真ん中に。左中間へ2点二塁打を食らって試合をひっくり返されると、続くモヤにも初球、ボール要求の変化球がゾーンに入り右前適時打を浴びた。

 「結果論ではあるけれど、もう少し慎重に。一塁が空いているわけだし」と指揮官。1番から始まったことで相手には攻撃の選択肢が増え、流れがスムーズになった。攻め立てられたことで逆に小野自身が苦しくなり「(ビシエドへの)1球が大きかった」と“投げミス”を招いた。

 今は打線が大量得点を見込める状況ではない。ただそんな状況でもエースと称される投手は、スキを与えない投球で勝ち星を引き寄せてくる。プロ2年目、7回3失点は十分に先発の責任を果たしたと言える。だが、小野の素質を見込んでいるからこそもう一段階、成長してほしいというのが指揮官の願いだ。

 首位・広島との差は6ゲームに広がり、虎の優勝デッドラインとされる6・5ゲーム差まで崖っぷちに立たされた。逆境を打破するために求められる投打の踏ん張り-。今はただ、それしかない。

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