中谷 昇格即スタメン、一発回答せよ 最下位転落危機に20発男が帰ってくる!
阪神・中谷将大外野手(25)が21日、1軍での活躍を誓った。22日のヤクルト戦(倉敷)から今季初昇格し、相性のいいヤクルト・石川攻略へ、いきなりスタメンで起用される。チームは12戦連続1桁安打と打線が低迷し、4カード連続負け越しで5位に転落。現状打破へ、昨季20発を放った右の和製大砲が起爆剤となる。
悩める貧打線に、ついに“劇薬”が注入される。ファンも待ち焦がれた男の今季初昇格。中谷が猛虎打線に帰ってくる。真っ暗闇だった不調のトンネル。ようやく光が見えた。それでも虎党の待つ歓喜を呼び込む瞬間まで、表情は引き締めたままだ。
倉敷で始まるヤクルトとの3連戦。万が一にも3タテを食らえば…リーグ最下位へと転落してしまう。負けられない戦いへ。送り込まれるのは、石川撃ちへ2軍からの“刺客”だ。片岡ヘッド兼打撃コーチは、中谷の先発起用を明言し、「中谷らしさだよね。長打力とか思い切りのいいスイングに期待したい」と思いを込めた。
好データも若虎の背中を押す。年に1度となる倉敷での一戦。昨年7月11日の中日戦は1安打2得点3出塁と、クリーンアップとして勝利に貢献した。ヤクルト先発の石川とは最近2年間の対戦成績が16打数8安打で、打率・500をマーク。2本塁打と結果を残している。
打線は現在、12戦連続の1桁安打と、暗黒時代と呼ばれた1998年以来となる20年ぶりの非常事態に陥っている。そんなチームに新しい風を吹き込むのは、長打が魅力の中谷しかいない。
昨季は生え抜き打者として06年・浜中(現2軍打撃コーチ)以来となる20本塁打を放った右の和製大砲。その兆しが見え始めたのは16日のウエスタン・ソフトバンク戦だ。
鳴尾浜のスタンドからどよめきと歓声が起こった2打席連発。直近5試合では、2試合連続の安打&打点をマークし、4打点と爆走中だ。2軍戦では打率・197と見栄えは悪い。それでも今の貧打線には空気を変える一発、そして勢いが必要不可欠だ。
昇格切符を受け取ると、力強く言い切った。「頑張ります」。今季は2軍スタート。なかなか調子が上がらず、ファームでは先発落ちも経験した。その悔しさは胸の中にしまい、短く意気込んだ。約2カ月もの間、さまよった長いトンネル。光は差した。あとは迷うことなく出口へと、歩を進める。