メッセ、さすが地方の鬼!セ界単独トップ7勝
「阪神8-3ヤクルト」(22日、倉敷マスカットスタジアム)
エースとして簡単に崩れるわけにはいかなかった。本調子とは程遠い姿でも、粘り強く役割を全うした阪神・メッセンジャー。今季最多となる131球。6回7安打3失点で、ハーラートップとなる7勝目をマークした。
「本当に苦しんだ。ブルペンでは調子がよかったんですが、ゲームに入ったら違う投球になってしまった。苦しみましたけど、何とかという感じです」
立ち上がりから制球に苦戦した。初回1死から西浦に四球、青木には死球を与えて一、二塁としたが、バレンティンを空振り三振、坂口を二ゴロに抑えて無失点。しかし、この回以降も状態は一向に上がらなかった。
要所を締めて先制点こそ許さなかったが、四回につかまった。先頭に四球を与えると、3連打を浴びるなど3失点。それでも「しっかり後に体重を残しながら、前に力強く体重移動をすることを心がけていた」と試合の中で修正に取り組み、四回以降を無失点に抑えてヤクルト打線に流れを渡さなかった。
今季の投球スタイルはこれまでとは違う。150キロ超の直球を軸に相手打線を圧倒していたが、18年は140キロ中盤の直球に変化球をコーナーに集める投球術。金村投手コーチは「右肩がまだ本調子ではないからね。これからどんどん上がってくると思うけれど、メッセも考えながらやっている」と最善の策を整えて投手陣を支える右腕に信頼を寄せる。
本職だけでなく、バットでも貢献した。先頭で迎えた三回、右前打を放ち出塁。助っ人の一打を皮切りに眠っていた打線に火が付き、一挙5得点を奪う猛攻へとつながった。
「連敗ストップだけでなく、連勝中でも投げたい」。これで地方球場は8戦負けなしの7勝。エースはチームの勝利だけを求めて右腕を振り続ける。