鳥谷、1939戦連続出場で止まった 虎の連勝も5でストップ

 「交流戦、阪神0-1ソフトバンク」(29日、甲子園球場)

 「日本生命セ・パ交流戦2018」が開幕した。阪神がソフトバンクに完封負けを喫した中、鳥谷敬内野手(36)はついに最後まで出番なし。歴代1位の「鉄人衣笠」超えはならず、2004年9月から続いていた連続試合出場が1939で止まった。チームの連勝、火曜日の連勝も5でストップした。

 ゲームセットの瞬間、鳥谷はベンチ裏でバットを振っていた。最後の最後まで試合に出る準備を怠らなかった。15年にわたって続けてきたポリシーを崩さなかった。しかし背番号1がグラウンドで映える姿は見られなかった。ルーキーイヤーの04年9月9日から連続試合出場記録が1939試合で止まった。

 「いつかは止まる記録ですから。いい時も、悪い時も、ケガをした時も試合に使ってもらった監督の方たちに感謝をしたい」。淡々と語った鳥谷の口ぶりからは、この日が来ることを覚悟していたように映った。そして率直に感謝の思いを口にしたのは、偽らざる鳥谷の本音だ。

 常人なら出られないような故障でも、試合に出る準備を怠らずにグラウンドに立ち続けた。昨季、顔面死球を受け、連続試合出場に黄信号がともった時があった。それでも鳥谷はチームドクターに「どうやったら試合に出られますか」と真っ先に聞いたという。翌朝、腫れも痛みも残る中で黒いフェースガードを作るために医療装具店へ自ら出向いた。

 そこまで試合に出続けることにこだわり、ファンのためにグラウンドに立つ執念を見せてきた背番号1。過去に何度もピンチを迎えた時期があったにもかかわらず、その思いに応えるために監督も起用の場面を探って鳥谷の背中を押した。

 しかし今季44試合の出場で70打数10安打、打率・143、5打点、0本塁打。この日、打撃の状態が上がってこない鳥谷を起用する場面は正直、なかった。金本監督は「できるだけというのは、一昨年からスタメンで出てない時は配慮もしたし、向こうも感謝の気持ちを示してくれたし。試合をやっている以上は状況がありますから。本人も全然、そこには特にこだわっていないということだったし」と明かした。

 勝つためにタクトを振るのが指揮官。勝つために最善の準備をすることが選手の役目-。その原則を見失わなかったこの日、記録は止まった。明日も今まで通りの準備を?との問いに鳥谷は「はい」と言った。鉄人・衣笠に次ぐプロ野球史上歴代2位の記録は決して色あせない。そしてここから、背番号1の第2章が幕を開ける。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

タイガース最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(タイガース)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス