植田、10盗塁 虎に新たな歴史!高卒4年目は新庄以来25年ぶり
「交流戦、阪神3-6ソフトバンク」(30日、甲子園球場)
勝利には直結しなかったが、与えられた場所で仕事を全うした。8試合連続で「1番・遊撃」で先発起用された阪神・植田が、試合経験を重ねるにつれて着実に成長を遂げている。
真骨頂は粘りだ。初回。フルカウントから4球続けて内角へ厳しい直球を投げ込まれた。だが、コンパクトなスイングで全てファウルにすると、10球目の変化球を見送り四球を選んだ。
出塁すれば、常に先の塁を狙う。慣れないパ・リーグ投手相手にも「いいスタートが切れたと思います」と、続く糸原の2球目に投球フォームを完璧に盗んだ。捕手・甲斐は送球することすらできず、今季10盗塁目となる二盗を決めた。
球団の高卒4年目で2桁盗塁をマークしたのは93年に13盗塁を記録した新庄剛志以来。それでも「何もないです」と数字に興味を示さず、先を見据えた。
1番に座る植田が最重要課題とするのは出塁。2軍でも主にトップバッターを任され、求められている役割を再認識した。「どんな形でも塁に出ることが大事。一番打席が回ってくる打者なので」と心構えを示した。
五回にもその言葉を有言実行。2球で追い込まれたが、ボールを見極めて厳しいボールはファウルにした。計9球を投げさせて四球で出塁。その後も自慢の足で投手を警戒させると、暴投を誘って同点のホームを踏んだ。
今や機動力打線の核として欠かせない存在だ。不動の1番へ。日々進化を遂げてその座をつかみ取る。