大阪震度6弱 糸井が福留が絶句 仙台から空路帰阪、出発2時間遅れ
18日に起きた大阪府北部を震源とする最大震度6弱の地震の影響により、仙台から帰阪予定だった阪神は搭乗する飛行機の出発が約2時間遅れるなどした。この日は休養日で、当初の予定では昼前に伊丹空港へ到着予定だった。19日のロッテ戦(甲子園)を前に、阪神も巻き込まれた天災トラブル。同行取材した阪神担当サブキャップ・重松健三記者がドキュメントで振り返る。
午前7時58分の地震発生から球団スタッフの動きは迅速だった。9時に仙台市内のチーム宿舎から仙台空港へ出発予定となっていたが、すぐに馬場チーフマネジャーらが対応を協議。陸路での帰阪も検討されたが、新幹線がストップすることを見込み、予定通り空路での移動を選択した。
仙台空港10時5分発のチーム便は一時、チェックイン処理が制限されていたが、約30分遅れで飛ぶとの一報が移動中のバス車内に伝えられた。選手、首脳陣は出発ロビーに入り、駐機場にも大阪行きの飛行機がスタンバイされていた。
しかし…搭乗時刻が近づいた10時過ぎ、場内アナウンスで伊丹空港の管制官から待機指示が出たため「約2時間以上、出発が遅れる見通し」と発表された。空港ロビーの一角では香田投手コーチ、坂運営部長らが緊急会議。午後1時から甲子園で先発投手陣による指名練習が予定されていたが、香田、金村両投手コーチ、スタッフの帰阪が遅れるため対応を迫られた。
幸いにも2軍は地元での休養日で、高橋2軍投手コーチら数人のファームスタッフが“休日出勤”を快諾して対応した。「本当に助かりました。感謝しかありません」と香田コーチは出発ロビーの売店でお土産を購入。感謝の思いを込めて手渡すと明かした。
さらに早朝便で先に仙台から帰阪していたスタッフからは、伊丹空港では公共交通機関がすべてマヒし、タクシー乗り場に長蛇の列ができているとの情報も入った。本来は公共交通機関などを各自利用して帰宅するが、球団は急きょ、芦屋市内行きと甲子園行きのバスを2台手配。選手は安どの表情を浮かべ、俊介は「本当にありがたい」と語った。
ただ札幌、仙台と過酷なロードを終えての帰阪日を襲った地震。テレビ画面を通して被害の状況が明らかになるにつれ、糸井は「めっちゃ怖い…絶対に余震が来るやん」と表情を曇らせた。福留も「こんな状況になっているなんて…」と言葉を失った。
また前日の楽天戦後に数人のコーチ、ベテラン選手は陸路で帰阪する予定だったが、午後3時ごろに群馬県で起こった震度5弱の地震のため東北新幹線がストップ。夕方になっても再開のメドが立たずに延泊を余儀なくされていた。
2日連続で天災に見舞われた能見は「昨日も新幹線で帰る予定が帰れなかった。仕方ないです。自然のことなので」と淡々。伊丹空港に飛行機が到着したのは午後1時20分。想定外の休養日に糸井は「オッサンにとってはめちゃくちゃ痛い」と疲労感をにじませた。