陽川、連夜の大暴れ!プロ初猛打賞だ4安打 今季最多17安打16点の爆勝導いた
「DeNA6-16阪神」(27日、横浜スタジアム)
まるで打ち出の小づちや!前夜のヒーロー、阪神・陽川尚将内野手(26)が今季最多17安打16得点の打線をけん引した。一回1死満塁の好機で左中間を破る先制の2点二塁打。三、四、八回にも安打を放ち、プロ入り初の猛打賞をマークした。チームは2連勝で4位に浮上した。
強烈な打球が何度も何度も中堅手・神里を襲った。勢いは止まらない。何かをやってくれそうな雰囲気が、打席の中で漂っている。プロ初の猛打賞に4安打3打点の大暴れ。今季最多17安打16得点の猛打の中心には陽川がいた。DeNA投手陣を木っ端みじんに打ち砕いた。
まずは初回の第1打席だ。3者連続四球で1死満塁の絶好機を得た。制球に苦しむ飯塚の144キロ直球を中堅左へ。「ああいう場面で打てたので、気持ちの面で楽になった」と先制の2点二塁打を振り返った。
三回の第2打席は中堅フェンス最上部に直撃する二塁打でチャンスメーク。低めのフォークと決して簡単な球ではなかったが、左手一本でバットに乗せた。うまくミートし、持ち前の怪力で運んだ。
四回の第3打席で中前打を放ち、プロ初の猛打賞を達成。ここで終わらない。八回の第5打席は1死一、二塁から中堅フェンスを直撃する3本目の二塁打でとどめを刺した。得点圏打率・556と勝負強さが光る。ポイントゲッターとして、打線に勢いをもたらしている。
長打力が魅力だが、自身を「長距離打者ではない」と分析する。求める形は最短距離でバットを出すことだ。「追い込まれるまでは自分のスイングを心掛けて、追い込まれてからはコンパクトにというのを意識しています」と力を込める。
「調子がいいんでしょう。調子のいい時をできるだけ長く、悪い時を短く。悪い時は必ず来ると思うから、その時の辛抱の仕方も勉強できたらレギュラーも近づいてくると思うし」とは金本監督。主軸に左打者が多いだけに、4番に据える可能性について「それくらいの働きとかしてくれれば」と大きな期待を寄せる。
今は結果が出ているが、陽川に安心感はない。「まだまだこれから。明日もあるので、切り替えて頑張りたい」。ブレーク寸前の和製大砲が、決死の覚悟で定位置を奪いにいく。