陽川、先発落ち危機から復活 21打席ぶり安打&バックスクリーンにダメ押し弾
「DeNA7-11阪神」(22日、横浜スタジアム)
悩める阪神・陽川にようやく光が差し込んだ。前日まで4試合、19打席連続無安打に終わっていた若き大砲。第2打席で21打席ぶりの安打を放つと、七回はバックスクリーン直撃のダメ押し4号2ランに「気持ちは楽になりました」と安どの表情を浮かべる。
この日、試合前のコーチ会議ではスタメンを外してはとの意見もあったという。それでも開花し始めた若き才能に対し、最終的には金本監督が「みんなでもうちょっと我慢しようかというところで」と打順を一つ下げ、7番でスターティングオーダーに名を記した。
試合前練習では指揮官自らノックバットを握り、三塁の守備位置で強烈なノックを浴びせた。酷暑の中、打球を左右に振られた陽川は汗だくでフラフラになっていた。金本監督が「昨日と今日(のノック)、どっちがきつかった?」と聞くと、「昨日も今日もです…」と顔をゆがめた背番号55。ただ本人の打球を追う姿からは、間違いなく不振脱却への必死さが伝わってきた。
連日のノックで指揮官は右手親指付近を裂傷し、ノックバットには流れだした血がこびりついていた。その効果があったかの問いに「だろ?(笑)。関係ないと思うけど、関係あることにしようよ」と冗談を言いながら笑った金本監督。若手育成への思いがにじんだノックと起用の先に、陽川の復活があった。