糸井、完全復活弾 超弾丸!2戦連発&今季5度目の猛打賞
「DeNA7-11阪神」(22日、横浜スタジアム)
爽快な弾道が右翼スタンドめがけて伸びる。どよめく観衆の予想通り、打球はそのまま突き刺さった。チームの頭上を覆っていた暗雲は消えた。阪神・糸井が12号ソロを含む3安打2打点の活躍。まさに勝利の使者だ。
先頭で迎えた五回の第3打席だった。須田の113キロカーブを豪快に引っ張った。圧巻の2試合連発。「右足腓骨(ひこつ)骨折」による3週間のブランクを、この男はものともしない。
糸井の1軍復帰後、5連敗中だったチームは2連勝。ただ本人は「チームみんなで、一丸となってやっています」と力を込める。その表情からは、連勝の余韻に浸るつもりはないことがわかる。
初回の第1打席で先制の右前適時打。三回の第2打席は右前打と、今季5度目の猛打賞をマーク。さらに、足でも仕掛けた。第1打席で適時打を放ち、ロサリオが三振に倒れて2死一、三塁となった場面。ここで二塁へ思い切ってスタート。アウトにこそなったが、ケガの影響を恐れず、次の塁を狙う貪欲な姿勢を見せた。
金本監督は盗塁敢行の場面について、両手を広げ、首をかしげながら「出すわけないやん、サインを」と説明。ただ「まああいつの気持ちは買いましょう」と闘志を評価した。
結局、バスに乗り込む最後まで、厳しい表情を崩さなかった糸井。大きな背中が頼もしく映る。勝負の後半戦、勝利への執念を体現していく。チームが一つになって、頂へと登ってみせる。