北條、2桁安打呼ぶ猛打ショー 広島戦連敗&甲子園連敗W脱出!
「阪神6-3広島」(25日、甲子園球場)
痛快な暑気払いや。阪神・北條史也内野手(23)が同点打、中押し打を含む今季4度目の3安打猛打賞。五回にはイレギュラーした松山の痛烈な打球を好捕してピンチの芽を摘み、広島戦の連敗を6で止め、甲子園での連敗も5でストップさせた。甲子園では6戦ぶりの2桁安打。この勢いでロード出発前最終戦を白星で飾る。
勝つために何をすべきか-。北條はその答えを確かに持っていた。九里を攻略するために、狙わないといけない球、つぶしに行かなければいけないボールを捉えきった。価値ある2本の適時打を含む3安打猛打賞に「内容もよかったです」とお立ち台で頬を緩める。
1点を追う三回1死一、二塁で迎えた第2打席。直前に梅野が糸原の三塁内野安打で三塁を陥れることができなかった。攻撃のリズムが停滞した中、「初球から振って行けたのでよかった」とファウルになったが、積極果敢な姿勢で流れを引き戻そうとした。
そしてカウント1-1からの3球目、浮いたスライダーを完璧に左前へ運ぶ同点適時打。後続も続き一挙4点を奪って試合をひっくり返すと、続く四回2死一塁の第3打席は、九里のウイニングショットでもある内角ツーシームをうまくはじき返し、完璧に左中間を破った。
完全に主導権を握る適時二塁打。スコアラーからの変化球が多いというデータを頭に入れ「目付をしていたところに来たので。しっかり準備ができた。勝つために自分が何をすべきかを考えて」と北條。高い出塁率、少ない三振数-。いずれも勝ちにこだわる北條の姿勢が結実した数字だ。
2012年度ドラフト2位で指名された際、当時の中村GMはこう語っていた。「彼は勝つためにどういうプレーをすればいいかを知っている選手。そこも評価した部分」。光星学院(現・八戸学院大光星)時代、甲子園で3季連続準優勝を成し遂げた。惜しくも大旗は大阪桐蔭・藤浪らに阻まれて届かなかったが、4番としてチームを勝利に導く姿勢が光った。
九里をマウンドから引きずり降ろすために、失投、ウイニングショットを確実にたたき、広島戦の連敗を6、甲子園での連敗を5で止めた北條。守備でも五回に松山のイレギュラーした二遊間への打球を好捕するなど、「今日は守りもよかったですね」と試合前練習でノックバットを握る金本監督も目を細めた。
勝ちにつながる姿勢を背番号2がグラウンドで示せば-。チームの歯車は間違いなく、いい方向へ回りだす。