球児 110日ぶり2勝目 今季5度目の2イニングで“勝利のたすき”渡した
「ヤクルト4-10阪神」(29日、神宮球場)
スタンドから勝利を祝福する拍手と歓声が注がれ、ハイタッチの列に笑顔が咲く。同点の場面で登板し、チームを勝利へと導いた阪神・藤川球児投手。2回1安打無失点の快投で4月10日・広島戦以来、110日ぶりとなる今季2勝目を挙げた。
出番が訪れたのは、1点も譲れない七回のマウンド。先頭の青木を遊直に仕留めると、山田哲を147キロの直球、バレンティンは149キロの真っすぐで連続空振り三振に斬った。相手を寄せつけない圧巻の投球。反撃への舞台を整えた。
「最後は自分の負けですね。いい反省をして、またあさってに臨みたい。1イニングと決まってないからね」
1点を勝ち越した八回。流れは渡せない。6月21日・オリックス戦以来、今季5度目の2イニングを託された2死後に四球と安打で一、三塁。一打同点のピンチを背負った。迎えた代打・川端の打球は三遊間へ。北條がジャンピングキャッチで捕球。無失点で切り抜けてお役御免となり、“勝利のたすき”をドリスに渡した。
香田投手コーチは「桑原が3人で抑えて、球児も2イニングいってくれて。皆でつないでくれた」と好救援に賛辞。続けて「そういうところで考えています」と今後勝ちパターンの八回での起用を示唆した。
21日に38歳の誕生日を迎えた右腕。ちょうど横浜遠征中で中継ぎ会が開催された。リリーフ陣だけでなくロサリオやナバーロらも参加した。練習中も藤川の方から話しかけるなど、投手だけでなく、慣れない環境で奮闘する助っ人ともコミュニケーションを取る。
金本監督は「30球近くなったらバテるけどな」と苦笑いしたが、これも今の藤川の好調ぶりを認めるからこそ。巻き返しを図る後半戦。球児が全力で右腕を振り、勝利に貢献し続ける。