馬場 プロ初黒星 洗礼浴びた…2回2/3を4失点KO
「DeNA12-5阪神」(12日、横浜スタジアム)
静かに息を吐いた。胸をしめつけるのはここぞでの勝負球、そして投手に対する四球だ。プロ初勝利を狙った阪神・馬場に、DeNA打線が牙を向けた。2回2/3を投げ7安打4失点でKO。もらったリードを守ることができず、そして逆転を許したプロ初黒星。力なき反省の言葉が、悔しさを物語っていた。
無念の降板が告げられたのは、同点で迎えた三回だった。2死を簡単に奪うと、悲劇はここからだった。6番・ソトに甘く入ったスライダーを強振されると、打球は左中間スタンド中段へ。勝ち越しを許すと、大和、今永にも連打を浴びピンチは拡大。2死一、二塁から、嶺井に外角の直球を右前へ運ばれ、4点目を奪われた。下位打線に浴びた4連打。試合をひっくり返され、うつむきながらベンチへと戻った。
特に猛省した場面は二回だ。この回同点とされた押し出しの四球ではない。1点差に詰め寄られ、なおも1死二塁の場面で敵陣の先発・今永と対峙(たいじ)した局面だった。一球ごとにどよめきが起こる中、ストレートの四球を献上。「一番の反省点です」。大きすぎる分岐点に、「投手に四球。それではいい流れはきませんよね」と香田投手コーチも改善を願った。
金本監督も期待が大きかった分、「次回の1軍はちょっと無理でしょうね、今の状態では。何か光るモノがあればよかったんだけど」と落胆。直球のスピード、変化球の精度。投球の中で得た悔しさを課題に、2軍からの再起を願った。
悔しさの残る66球での降板に唇をかんだ馬場。期待のドラ1として入団。だが、原石を輝かせる舞台とはならなかった。序盤KOで浴びた、プロの洗礼。「打たれてしまったことを学んで、勉強していかないといけない」。知った厳しさを、成長への道しるべとして。次なるチャンスでこそ輝きを放つ。