先行逃げ切りの必勝パターンでマジック阻止や。阪神・金本知憲監督（５０）が１３日、１４日からの広島３連戦でのポイントを投打の全てと定めた上で、六回終了時にリードしている展開では不敗というデータに期待を込めた。また、糸井嘉男外野手（３７）が勝利に向けた強い意気込みを示した。

　優勝を諦めていない以上、直接対決ではこれ以上負けられない。目の前での優勝マジック点灯も阻止したい。首位・広島を京セラドームに迎える１４日からの３連戦。ここまでの対戦成績は４勝１０敗と分が悪いが、必勝パターンに持ち込めば話は別だ。金本監督もそこに触れた。

　「昨年はそういうイメージはあったけど。今年は意外となかったんだよな。意外といかれているイメージが強かったんだけど。びっくりしたよ。そういうイメージあった？なかったやろ？」

　イメージにはなくても、数字として残っているのが先行逃げ切りの必勝パターンだ。今季はここまで、六回終了時にリードしていれば、３７勝１分けと負けなし。「なかなかそうは…。思い描いたようにはいかないんだよ」と話すが、いまだ不敗のパターンは１つの形であり、目指すべき展開となる。

　「（広島３連戦のカギは）全部だよ。うちは」と金本監督。勝利に向け、投打のいずれもが重要なものとなる。その必勝パターンに持ち込むためには、いかに先発陣が踏ん張った上で、得点を奪えるか。その打線で軸となる糸井も、広島戦に向け、気持ちは十分に高まっている。

　この日の帰阪時、糸井は「もうどこにも負けられないから、勝つしかないよ」と口を開き、短い言葉に強い気持ちを込めた。頼れる４番は現在、スタメン復帰後８戦連続安打中で、チームも６勝２敗となっている。

　同じく打線をけん引する福留に関して金本監督は「孝介は３連戦、キツくないか。京セラドームは意外と暑いからな」と、広島３連戦もどこかで休ませる予定。それだけに、好調の４番への期待は高まる。チームに勢いをもたらす得点を導き、勝利を引き寄せたい。

　１４日の試合に勝たなければ、引き分けでも広島に優勝マジックが点灯する。ゲーム差は１２・５と開いているが、まず狙うのは目の前の一勝だ。序盤にリードを奪い、自慢の中継ぎ陣で逃げ切る。チーム一丸の戦いで、独走状態の広島に意地をぶつける。