糸井、鯉倒!マジック点灯阻止!4安打3打点 驚異の夏男、8月打率5割超

 「阪神7-4広島」(14日、京セラドーム大阪)

 虎の4番が4安打3打点の大暴れや!阪神の糸井嘉男外野手(37)が2-1と勝ち越した五回無死一、三塁では右前適時打、5-4とした八回2死満塁では試合を決定づける中前2点打を放った。糸井だけでなく全員の執念で首位広島に逆転勝ち。きょうもマジック点灯阻止や!

 凄みが違う。これぞ猛虎の4番の破壊力。奏でた4本の快音に意地を見る。引き分けでも首位・広島に優勝マジックを点灯させてしまう真夏の戦い。勝つことしか許されない状況下で、糸井が打ちも打ったりの乱れ打ち。圧巻の4安打で鯉を粉砕だ。

 全てのヒットに価値がある。中でも際だったのは八回。「みんなでつないでくれたので、何とかかえしたいと」。代打・原口の同点打、福留の押し出し四球で波に乗る。なおも続いた2死満塁で、敵の4番手・今村の初球をはじき返した打球は中前タイムリー。さらに、直後にはスタメン復帰後初となる二盗も敢行。鯉をあざ笑う大きなストライドがよく映えた。

 気温の上昇とともに調子をあげていく。二回に左前打、四回に中前打、さらに五回にも右前打を放ちこれで9試合連続安打。8月は31打数16安打11打点で打率・516で無双の好調ぶりが力強い。

 4番の働きに指揮官の言葉も自然と弾んでいく。「福留と一緒で暑い時期にやってくれますし」と金本監督。糸井のスタメン復帰後はこれでチームは7勝2敗。引き続き、糸井の勝負強さに信頼を置いていく。

 ケガをして、むしろ超人ぶりに磨きをかけた。自主トレでお世話になり、「メンズフィジーク」で日本王者になったこともある石井良亮さんが、11日のDeNA戦へ応援に来てくれた。

 右足を骨折してからも週に一回のペースで患部をケアしてくれる仲間。「筋力を落としたくないので、上半身のトレーニングは続けていました。オフより体重は落ちていますが、筋力量は上がっています」と石井さん。傷を負っても、ただでは起き上がらない。

 万全ではない。それでも力強く、はっきりと言った。ファンを前にしてのお立ち台。糸井が力強く宣言する。「僕らは負けられない。絶対に勝つという気持ちで明日からもやっていきます」。鯉に見舞った快音は反攻への号砲。先頭に立ち意地とプライドをぶつけていく。

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