金本虎お粗末 同点犠飛のはずが…鳥谷生還前に二走・梅野が三塁憤死 借金最多9に

 「阪神1-3ヤクルト」(30日、甲子園球場)

 そんなバカな…。長期ロードを終えた金本阪神が甲子園で悪夢の3連敗。借金は今季最多の9に膨らんだ。1点を追った五回1死満塁。糸原健斗内野手(25)の中飛で同点のはずが、三走・鳥谷敬内野手(37)の本塁生還前に二走・梅野隆太郎捕手(27)が三塁で憤死する大失態。相変わらずの決定力不足にミスが重なっては、勝てるはずもない。

 信じられないようなプレーが起こった。大歓声を上げたファン、ベンチの首脳陣、選手、誰も何が起こったか理解できなかった。タッチアップで入るはずだった1点-。それがゼロに終わった衝撃的なプレーは1点を追う五回に起こった。

 1死満塁から糸原はセンターへ高々と打ち上げた。犠牲フライには十分な距離。中堅・青木が捕球すると同時に三走・鳥谷はスタートを切った。それに合わせて、二走・梅野も三塁を狙いに行った。

 青木はバックホームではなく、三塁へのライン上にいた遊撃へ送球。梅野は途中で止まることができず、8-6-5のタッチプレーが完成した。この第3アウトが成立する前に、スピードを緩めた鳥谷がホームを踏めなかったことで得点は認められなかった。

 金本監督は「俺も1点入ったと思って、見ていなかったけど…」と絶句した。生還できなかった鳥谷は「自分は走っていたので、自分に聞かれてもしょうがない」と言った。憤死した梅野は「何とか才木が頑張っていたので一つでも先の塁を、と思った。行けると思ったけど、結果的にアウトになってしまって、チームに申し訳ない」と声を震わせる。

 2010年5月24日のロッテ戦。九回1死満塁で城島がサヨナラ犠飛を放った際、二走・新井が三塁にスタートを切って、アウトになりそうになった。それでも三走・マートンが手を抜かず全力疾走したことで事なきを得たシーンがある。

 野球は何が起こるか分からない。だからこそ金本監督は就任後、全力疾走の大切さを訴えてきた。3連敗で借金は今季ワーストの9。2位は遠のき、振り返れば下位の2チームとの差が詰まってきた。

 「タッチアップとか信じられないようなプレーも出るし。ありえんことが起こってるわね」と指揮官。1点差の八回2死満塁の場面でナバーロに代打・原口を出さなかったのも、「(抑えの)石山との相性も考えて。最後のジョーカーだったから」と残るメンバーを考え、積極策がとれない現状がもどかしい。

 試合後の一塁側内野席には泥酔した男女のファンが1時間近くにわたって居座り、警察が出動する事態になった。あまりにもつらくて悲しい夏の終わり-。甲子園に満ちた重い空気を打破するには、白星しかない。

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