球児、虎で700試合登板 3人斬りで金字塔!ファンへ感謝
「阪神8-3DeNA」(1日、甲子園球場)
偉業を成し遂げても淡々としていた。記録よりもチームを勝利に導けたらそれでいい。プロ野球史上16人目となる通算700試合登板を達成した阪神・藤川球児投手。花束を受け取ると、スタンドから「球児コール」が沸き起こり、祝福に出迎えるナインと熱いハイタッチを交わした。
2点差の七回、桑原から勝利のバトンを託された。3番から始まる嫌な打順。だが、寄せつけることはなかった。先頭のロペスを直球で中飛に仕留めると、続く筒香は高めの148キロ真っすぐで左飛。最後は佐野をストレートで右飛に打ち取り、三者凡退で山本和行以来、球団タイ記録となる快挙を達成した。
長きにわたって虎のブルペンを支えてきた証し。「何とも思わないけど、飽き性な性格なのでなぜ野球だけできているのかわからない」と笑みを浮かべた。
もちろん、記録を達成できたという喜びもあるが、周囲に対する感謝の気持ち一番だ。「ライトスタンドの応援団の人は全試合、見ているからね。そこへの感謝が大きい。いい成績を残さないとかプレッシャーをもらいながら、張りがあっていい人生です」と野球選手として味わっている20年間を振り返った。
今季で38歳を迎えた右腕。開幕から一度もチームを離れることなく支え続けている。「誰かが抜けたら誰かがカバーしていく」。有事に備え、昨年に比べてオフから早めに調整。シーズンが始まってからも試合前のキャッチボールを控えたり、体のケアに時間を割いたりと、よりベストな状態で臨めるように準備を整えている。
「一心一体で気持ちに関しては全員が一緒に落ちないように。いい日もあれば悪い日もある。きょうは福留さんが打ってくれた。逆にあしたは若い選手が乗っていければいいかな」。苦しい時に支えるベテラン陣。チームのために全力で右腕を振り続ける。