金本監督 新井の引退に「弟みたい。敵として腹の立つ思いもしたけど」【一問一答】
今季限りでの引退を明かした広島・新井貴浩内野手(41)について、広島、阪神でともにプレーした阪神・金本知憲監督(50)が5日、思いを語った。
以下は一問一答。
-新井選手が引退を発表した。
「もう少しプレーヤーとしてできる体力とか、まだあるとは思うんですけどね。ちょっともったいないなというのが本音です」
-新井選手は8月頭ごろに球団に伝えたと。金本監督はいつ頃聞いた?
「それはね…ちょっと言えるとこと言えないとこがありまして(笑)正式には今朝、電話をいただきまして。『ああ、そうか』ということで。引き際というのはみんなそれぞれ違うんで、彼なりの決意した引き際ということでしょうね」
-広島でも阪神でもともにプレー。金本監督にとってどんな存在?
「本当にこう、弟みたいな存在で。若い時もよく食事しながら教育したり、練習することの大切さとか、全力プレーを常にしなさいとか、そういう話はよくしてまして。タイガースにも僕を追うように来てくれて。そこでなかなかね、力は思うように発揮できなかったですけど。今だにいろいろ、相談事とかもしますし。僕が監督に就任してからは、そういうチームの話はできなくなったんですけれど。まあ弟みたいなもんですね」
-ともにプレーした中で印象に残っているプレーなどは?
「いっぱいありますよね。若い時というのはミスばっかりしてましてね、いろいろ楽しませてくれたりもしましたけど。タイガースの時に、2008年にタイガースに来て、僕が4番を打ってて彼が3番の時に、しきりに僕につなごうとフォアボールを選んだりとか、何とか右の方に単打を打ってとか、僕につなげるという姿勢をすごく感じてまして、それが僕にいい意味のプレッシャーでね。僕もいい仕事ができたりして。あとは横浜スタジアムで、(通算安打で)彼が1000本で僕が2000本を打った時、変な巡り合わせだなというのは感じましたけどね」
-今後シーズンが終わって、改めて新井選手にかける言葉は?
「最後は何て言いますか、広島に戻ってどうなるものかなと見てましたけどね。本当、敵として嫌なバッターと言うか、カープに戻ってすごくいい場面で打つようになってね。腹の立つ思いもしましたし(笑)やっぱり、彼がカープで残した数字よりはね、野球に対する姿勢と言いますか、常にベンチで若い選手がやりやすいような雰囲気を作ったりとかね、勝った時の喜び方とか、全力プレー、全力疾走とか、この歳になっても続けてましたし。残した数字よりもそういう姿勢というのが、今のカープを強くしたんじゃないかなと。そういう貢献度は大いにあると思いますね」
-金本監督も全力プレーが信条だった。新井選手にも伝わっていたのでは?
「そうだと思いたいですね(笑)こちらは敵将となってからは、さっきも言いましたが悔しい思いばっかりさせられてね。苦虫をかんだ思い出というか、この3年間はチクショーという思いはあったんですけど(笑)。心の中では、よくがんばってるなというのはずっと思ってましたので。彼の明るさというかキャラクターといいますか、今のカープの強さの根底にあるんじゃないのかなと思ってますね」