金本虎、単独最下位 3連敗で今季ワースト借金10 中継ぎ不足…青柳に代打送れず
「阪神4-6ヤクルト」(15日、甲子園球場)
阪神は追い上げ及ばず、今季9度目の3連敗。2016年シーズン最終戦以来となる借金「10」で、単独最下位に転落した。金本知憲監督(50)は「まだ残り試合があるから。がんばります」と前を向いたが、2位・ヤクルトに6連敗で、ゲーム差は6・5まで広がった。早ければ17日にも13年連続のV逸が決まる。残り22試合。虎よ、意地を見せてくれ。
スタンドからは失望のため息が響く。見せ場を作っても勝てなければ意味がない。2位・ヤクルトに6・5ゲーム差に広げられる連敗で、2位が絶望的なだけでなく、9月以降に限れば2年ぶりとなる悪夢の最下位転落だ。金本監督は絞り出すように言葉を発した。
「(最下位転落は)ああ、そうなん?まだ残り試合があるから。がんばります」
もちろん最下位確定ではなくまだ22試合残っている。とはいえ、13日から3連敗という現状に、浮上の兆しは見えないまま。残り試合の多さは勢いを付けるどころか、連戦という過密日程となって重くのしかかった状況だ。前向きな決断をしきれない苦しさがそこに重なる。この日の攻撃にも垣間見えた。
2点を追った五回だ。先頭の伊藤隼が中前打で出塁し、梅野は投犠打成功で1死二塁。ここで代打を送ることなく青柳を打席へ。前の打席で中前打を放ったとはいえ、代打起用も考えられた中、結果的に青柳と続く糸原は共に遊ゴロに倒れた。
金本監督は代打を送らなかった決断を「ちょっとリリーフがな。頭数がどうしても足らなかったから」と振り返る。青柳は5回3失点で104球。交代のタイミングでもあったが、残り4イニングあった。分岐点になり得た場面で、残り22試合と連戦のマイナス要因が頭をよぎった形だ。
劣勢での勝ちパターンの投手起用はできれば避けたい。その上で17日に先発予定の岡本をベンチから外し、この日の中継ぎは7人。さらに野手では、足の負傷を抱える福留を起用できない状況もあった。そういった台所事情の苦しさはあったとはいえ、結果的に裏目に出たことは現実だ。
良かったのは、4戦続いていた初回失点の呪縛を解き、初回に先制したまで。八回、2点差に迫ってなおも1死満塁と逆転の好機を作ったが、伊藤隼は遊飛、梅野は遊ゴロに終わった。この敗戦で借金は今季ワーストの「10」を数えた。
「(八回は同点までいきたかったかと問われ)それはそうですよ。いきたかったですよ」と金本監督。一気呵成(かせい)といけない負の流れ。3位・巨人まで1・5ゲーム差の大混戦で、Aクラスの可能性は十分に残っているが…。17日にもV消滅となる事実以上に、危うさを感じさせるチーム状況だ。