矢野阪神2軍8年ぶりV王手 「超積極的」野球の集大成 20日に甲子園で胴上げや

 「ウエスタン、阪神3-0ソフトバンク」(19日、鳴尾浜球場)

 聖地で最高のフィナーレを迎える!首位を走る阪神2軍が19日、ウエスタン・ソフトバンク戦(鳴尾浜)に勝利し、優勝マジック「2」を点灯させた。きょう20日に甲子園で行われる同戦で勝てば、8年ぶりのリーグ優勝が決まる。矢野燿大2軍監督(49)がキャンプ前に掲げたスローガン「超積極的」を発揮し、一気に決める。

 単なる1勝ではない。指揮官の心の奥底に、いつまでも残るような試合が刻まれた。優勝に王手をかける、全員でもぎ取った白星。4ゲーム差で追う2位・ソフトバンクを本拠地・鳴尾浜に迎え撃った直接対決の初戦。試合後の囲み取材に応じた矢野2軍監督は、時折言葉を詰まらせながら、選手たちをたたえた。

 「感動したって言うと大げさに聞こえるかもしれないけど、俺の中で忘れられない試合になった」

 異様な空気に包まれていた。いつもの2軍公式戦とは全く違った雰囲気がグラウンドに充満していた。「俺もすごい緊張した。俺、緊張していると思いながらゲームをしていた」と指揮官。優勝を争う対決にふさわしく、1球1球に緊張感が漂う試合は四回まで0-0と、静かに流れた。

 均衡が破られたのは五回だった。5番・板山から始まった攻撃はわずか4球で2死。だがドラマはここから幕を開けた。2ストライクと追い込まれながらも7番・今成が中前打で出塁し、続く長坂が四球を選び、2死ながら一、二塁の好機が訪れた。

 ここで9番・島田がカウント1-1から、ソフトバンク先発・渡辺健の131キロ直球を振り抜き、右越えの先制2点二塁打。「今日は、いつも以上にすごくピリピリした雰囲気があった。チームのみんなも『絶対に勝つ』という気持ちがあって」と独特のムードを感じながら、「緊張感のある中でしっかり振れたのは良かった」と値千金の一打を振り返った。

 2死走者なしからの得点に「すごくない?2アウト2ストライクからやで」と指揮官。超積極的、あきらめない、誰かを喜ばせるというスローガンを掲げたキャンプ前。シーズン終盤の大一番での勝利は「ホントにそれがぎゅっと詰まった、ね。そういうのが全て含まれていたゲームやったから」と感無量の面持ちだった。

 負ければ相手に流れが行きかねない一戦での勝利。「心の中では、今日負けたら『嫌だよな』というのもありながら、でも取れたら、かなり前進できると思っていた」と矢野2軍監督。優勝まであと1勝。指揮官にとってもう一つ、生涯忘れられない試合が待っている。

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