陽川 雨地獄にあっぱれ打 先制&適時三塁打!猛打ショー 金本監督「大きな1点」
「広島4-5阪神」(20日、マツダスタジアム)
午前0時3分、日付を越えた歓喜の瞬間に、阪神・陽川尚将内野手(27)の笑顔が映えた。2本の大きなタイムリーが、雨中の激闘で主導権を呼んだ。そして勝利をもたらした。「先に点を取りたかったので」という言葉に疲労の色は一切、にじんでいなかった。
予定よりも1時間9分遅れで始まった初回、2死一、二塁で迎えた第1打席だった。追い込まれても懸命にファウルで粘り「打ったのはチェンジアップ。追い込まれていましたが、粘り強く何とか後ろにつなごうという意識でした」と浮いたチェンジアップを捉え、三遊間を抜いた。
打球が雨を含んだ芝生で勢いを失う間、二塁走者の大山が生還。先制の適時打で先手を取ると、1時間2分の中断後に迎えた五回には左中間へ4点目となる適時三塁打を放った。七回の第4打席でも二塁内野安打を放ち、今季3度目の猛打賞だ。
「雨で試合開始が遅れましたが、しっかり集中して打席に入ることができました」と語った陽川。悪条件の中でどれだけ気持ちを入れて試合に臨めるか-。金本監督は「陽川のもそうだし、きょうはどれも大きな1点だったと思います」と褒めちぎった。
最悪のコンディションの中で背番号55が見せた真価-。最下位脱出はならなかったが、3位まで1ゲーム。CS進出の可能性はまだまだ十分に、ある。