金本監督200勝 若虎、中堅が躍動「頼もしく見えた」
「広島4-13阪神」(22日、マツダスタジアム)
ハイタッチを交わした阪神・金本監督の頬が緩んだ。糸原、大山、中谷といった若手がしっかりと結果を残した。中堅組の森越、伊藤隼も奮闘した。中軸の糸井、福留を欠く打線が王者を相手に18安打13得点の猛攻を浴びせ「本当に頼もしく見えました」と通算200勝の指揮官は目を細める。
金本監督がポイントに挙げたのは二回、2点を先制しなおも1死一塁から藤浪が決めた送りバントだった。「流れとしては晋太郎がきっちりと送りバントを決められたことが大きかったかな」。これが糸原の適時打で“次の1点”を呼び込み、主導権を引き寄せた。
三回には打者一巡の猛攻で一挙6点。その後も攻撃の手を緩めなかった。「本当に何点あってもね。9点取っても安心はできないですから」と指揮官。マツダスタジアムで王者に2カード連続の勝ち越し。ここ数年、鬼門と叫ばれたイメージは払しょくしつつある。
「どうやったら広島に勝てるか」。今年5月、金本監督はマツダスタジアムのベンチでつぶやいた。球場全体がカープを応援する独特の雰囲気、その声に背中を押される選手たち-。そこで負けないためにはミスのない野球が必要だった。
攻撃、守備、走塁、相手に付け入るスキを与えずに勝ちきる野球。投げる以外でも送りバントを決めた藤浪、仕留め損なうことが少なかった打線。そんな成長を感じさせる姿を、本拠地・甲子園で見せなければならない。
「今は甲子園が逆に鬼門になってしまっているから。選手も甲子園で勝つということを意識してやってほしい」と指揮官は言った。右太もも裏を痛めていた福留が九回に守備復帰を果たし、欠場した糸井とともに23日の巨人戦から先発復帰する見通し。節目の勝利に「どうでもいい(笑)」と笑った金本監督の目は、1・5ゲーム差で追う宿敵との“直接対決”を見据える。