梅ちゃん、恐怖の8番がコイ粉砕 V撃着火 13点18安打
「広島4-13阪神」(22日、マツダスタジアム)
飛車角抜きで、鯉を打ち負かした。阪神・梅野隆太郎捕手(27)が二回に放った先制2点適時打が号砲となり、18安打13得点で快勝。コンディションを考慮して福留、糸井がスタメンから外れる中、若虎たちが躍動し、最下位を脱出した。23日からは1・5ゲーム差で追う3位・巨人との2連戦。宿敵を連破し、逆転CSへ駆け上がれ!!
勝つしかない。その一心で懸命にチームを引っ張った。優勝目前の広島に一歩も引かず、執念を見せた梅野。快音とともに超満員で埋め尽くされた敵地に六甲おろしが響き渡る。快勝を呼び込む先制の一打を選手会長が放った。
「先制点というのが、いつも取られてばっかりなので何とか取って、晋太郎を楽に投げさせてあげることが結果的にできたのでよかったかな」
二回1死二、三塁。2ボールからの3球目、岡田が投じた外角への直球に食らいついた。鋭い打球は、前進守備を敷いていた二遊間を破る中前2点適時打。この一打を皮切りに猛虎打線に火が付き、終わってみれば18安打13得点となった。
六回には1死一、三塁で打席を迎えると、再び中前適時打をマーク。これで今シーズン45打点目となり、今季の打点は糸井、福留に次ぐチーム3位に浮上した。大黒柱の2人が万全の状態ではない中で、結果を残し続けている。
バットだけでなく、扇の要として投手陣をけん引した。付け入る隙を与えず、首位相手に3カード連続の勝ち越し。最下位脱出で5位となった。
「自分たちも中堅の年齢になってきている。年下の野手とか投手が多いので、自分たちが引っ張るくらいの気持ちでやらないと苦しくなる。孝介さん(福留)たちも休みながらになるので、いないときにカバーできる選手がいるのは大きい。一人、一人の役割をしっかりできるようにしたい」
主軸の福留、糸井は手負いで、存在感を示していた北條と原口は負傷で戦列を離脱した。苦しいチーム事情を救うために、選手会長の気持ちはより一層高まっている。
この流れを止めるわけにはいかない。23日からは地元で巨人との2連戦を迎える。「甲子園ではなかなか勝てずにいるので何とかまず明日、初戦を取れるように。ファンの方に喜んでもらえるゲームを見せて、上を目指してやっていきたい」。3位の宿敵には、1・5ゲーム差。本当の正念場で梅野が真価を発揮する。