能見ゲキ投 球児欠いても一丸!締めた0封リレー

 延長12回、力投する能見
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 「阪神0-0巨人」(24日、甲子園球場)

 延長十二回。寡黙な男がマウンドで語った。阪神・能見篤史投手が投じた10球中8球がストレート。全盛期の球威はなくとも、全力投球で巨人打線に挑む。ブルペンの屋台骨を支えた藤川を欠き、逆転CS出場に向けて道のりは険しい。それでも一丸で戦う。無言のメッセージだ。

 「なかなか(球児の)カバーはできないけどね。みんなでやっていきたいです」。0-0で迎えたこの回、まずは打席にゲレーロを迎えた。直球2球で追い込むと、1-2から5球目。内角高めの142キロで空振り三振に斬った。強打者を力で抑え込むと、代打・重信、小林には全球直球勝負で完璧に封じた。

 この日、藤川が出場選手登録を抹消された。中継ぎに転向した今季、能見の“先生役”が右腕だった。「球児が教えてくる。ここは引かない方がいいとか、腕振って投げた方がいいとか」。ブルペンのイスに並んで座り、2手、3手先まで展開を読む。準備し、厳しい場面の登板。抑えて当たり前と言われる苦労を肌で知る日々だ。

 「負けなかったのは、よかったね」。試合後、見せるのは笑みではなく、安どの表情だった。前夜は0-0の六回2死一、二塁で登板。阿部に右前適時打を浴びていた。胸に秘めたリベンジの思いと、残る14試合の決意を込めた10球。投手最年長のベテランが、フル回転でチームを支える。

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