島田、希望の初安打&マルチ「これからが始まり」 猛虎唯一のU23代表選出

 「広島4-3阪神」(3日、マツダスタジアム)

 サヨナラ負けで最下位に転落し、自力CS進出の可能性が消滅した阪神に光が差し込んだ。ドラフト4位・島田海吏外野手(22)が初回無死一塁でプロ初安打となる右前打。チームの22イニングぶり得点に結び付けた。島田は延長十一回にも遊撃内野安打。この日、発表されたU-23日本代表にも名を連ねた韋駄天(いだてん)が、きょう4日にもBクラスが確定する危機にひんしたチームを救う。

 愚直なまでの“必死さ”がルーキーの背中からにじんでいた。ボールに食らいつき、懸命に走り、とにかくチームに貢献しようとした島田。首脳陣の2番抜てきに応えたプロ初安打を含むマルチに「何とかしたいという思いだった」と本人は言う。

 初回無死一塁で迎えた第1打席、カウント2-2から外角のチェンジアップをバットの先で懸命に拾った。打球は右前に弾むプロ初安打でチャンスを拡大すると、ナバーロの中前2点打を呼び込み、2試合連続完封負けを喫していたチームに22イニングぶりの得点をもたらした。

 七回2死一、三塁の第4打席では「きょう一番、何とかしてやろうという思いが強かった」と懸命に粘って四球を選び、続く福留の同点押し出し四球を呼んだ。延長十一回にはボテボテの遊ゴロを自慢の俊足で内野安打に変えた。金本監督も「2本打てば十分」と評価。ただ本人は「これからが始まりだと思うので」と決して厳しい表情を崩さない。

 上武大時代、部員100人を超す強豪チームの中で激しい生存競争を勝ち抜き、大学球界随一と言われる厳しい練習を乗り越えてきた。同級生には島田自身が「僕から見れば天才でした」と感じたドラフト候補の内野手がいたが、メンタル的な部分が足かせとなりプロの世界にはたどりつけなかった。

 プロの世界を戦い抜く上で、“気持ち”の大切さを知るルーキー。この日、U-23日本代表選出が正式に発表されても、浮かれる様子はなく「来年に向けてのアピールの場だと思います」と言った。プロの世界で戦っていくために、国際大会の舞台は「今の自分の力を試したい。自分にできることをそのままやるだけだと思います」と激しい競争を勝ち抜く試金石だと捉えている。

 この日、チームは自力でのCS進出が消滅した。早ければ4日にも2年ぶりのBクラスが確定してしまう。そんな状況でどういうプレーを見せるか-。ルーキーが見せたがむしゃらな姿勢、そして強い気持ちこそがファンの心を打つ。

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