金本監督続投、打撃部門テコ入れ 和田一浩氏招へい 1、2軍スタッフ入れ替え
「阪神1-2ヤクルト」(4日、甲子園球場)
阪神の2年ぶりBクラスが確定。CS進出を逃した。球団側はすでに来季巻き返しへ向けた検討を重ねており、まずは金本知憲監督(50)を続投させる方向で組閣を進めている。不振が目立った打撃部門のテコ入れ策として、来季1軍打撃コーチに元中日の和田一浩氏(46)を招へいする方針を固めたことが分かった。他にも1、2軍スタッフの入れ替えを行うもようで、新体制へ向けて今後、細部を詰めていく。
CSを本拠地開催した昨年の2位を思えば、今季は思うようにいかない1年となった。この日、2年ぶりとなるBクラスが確定したものの、球団側は3年契約2年目となる金本監督を続投させる方針。育成路線を継続した上で、巻き返しを図っていく形となる。
すでに来季に向けて、今季の反省と金本監督の意向も踏まえながら、組閣作業に着手している段階だ。今季の低迷の一因には、打撃陣の不振があった。若手が経験を積み、来季につながる成長もあったとはいえ、その課題を解消していく必要がある。その一手が、和田氏の招へいとなる。
今季の1軍の打撃部門は、片岡ヘッド兼打撃コーチと平野打撃コーチが担い、情熱を注いで若手の育成に携わってきた。ただ、2人は共に左打者。チームとしてもこの試合までの558得点はリーグ最下位で、チーム打率・254はリーグ5位。そういった今季の打撃不振の打開策の一つとして、新たに右打ちのコーチの必要性が高まる流れとなった。
球団幹部は組閣に関して早くから「外部招へいについては考えていかないといけないかなと思っています」と話していた。OBの枠にとらわれずに幅広く複数の候補をリストアップした中で、現役時代の実績なども含めて和田氏に一本化した。
和田氏は現役19年間で、通算2050安打で319本塁打を記録。在籍した西武と中日では、それぞれで優勝に貢献。実績は十分で、西武時代の05年には首位打者と最多安打のタイトルも獲得しており中日時代の10年にはMVPも受賞した。
15年に引退後は野球解説者に転身。努力を積み重ねた現役時代の経験は、初めてとなる指導者としても生きてくるはずだ。阪神のOBではないものの、金本監督とは東北福祉大の先輩、後輩の間柄で信頼関係にある。新たな風を吹き込む存在として、期待が集まる。
また、他のスタッフに関しては矢野2軍監督の1軍スタッフ復帰案など1、2軍の一部入れ替えを実施する方向で調整中だ。昨年の2位からの低迷を受け、来季は今季以上に結果も求められる1年となる。