阪神、ドラ1候補に吉田輝星浮上 金本監督もホレた高校No.1右腕
金足農・吉田輝星投手(3年)がプロ志望届を提出することが5日、関係者への取材で分かった。甲子園を沸かせたスター右腕の決断を受けて、阪神は25日のドラフト会議に向けて1位候補としてリストに入れることを表明。この日、甲子園球場で報道陣に対応した谷本修球団本部長(54)が明かした。野手を1位指名する場合は大阪桐蔭・根尾昂内野手(3年)が最有力候補となるが、投手の1位指名を決めた場合、他の即戦力投手と共に吉田指名の可能性も浮上してくる形となった。巨人、DeNAらも高く評価しており、複数競合は必至の状況だ。
もしプロを志すのであれば、すぐにリストに加える考えではあった。評価としても、即戦力であることに変わりはない。夏の甲子園で注目を集めた右腕の決断に、阪神サイドも素早く反応。谷本球団本部長は、プロ志望届の提出を決めた吉田が「1位候補」の1人になることを明言した。
「プロ志望届を出されたら、もちろん、リストに入れて考えようという、下打ち合わせはしてました。まだ(その話し合いは)実現してませんが。(他の投手と並べても上位かと問われ)1位候補になります」
夏の甲子園での活躍を評価していたため、1位候補となるのは当然だ。谷本本部長は即戦力と問われ「すぐ出てくるんじゃないかという評価。高校野球を見ている時ですけど」と話した。将来性に関しても「下半身がしっかりしてそうですね。力強い球も投げていますので。変化球のキレに磨きをかけたらもっといいピッチャーになるのでは」と伸びしろを感じている。
スカウト陣だけでなく、現場を預かる金本監督も、吉田の投球スタイルを評価している1人だという。谷本本部長は「(評価は)高いですね。金本監督も気に入っていたと思います。ああいう力投型で」と明かす。今後、吉田をリストに加えた上で「またドラフトまでに(会議を)やると思います」と、状況を見ながら近日中に会議を行う考えだ。
阪神は現状、1位指名に関して野手でいくか投手でいくかがまだ未定。ただ、野手の指名となれば、大阪桐蔭・根尾が最有力候補であることに変わりはない。一方、投手の指名となれば、即戦力投手ということで東洋大の上茶谷、甲斐野、梅津の3人に加えて日体大・松本らが候補だ。そこに新たに吉田の名前も加わった。
即戦力投手を望む背景には、今季、故障などもあって投手陣のやりくりに苦労した流れがある。1位候補である以上、吉田もその課題を解消できる1人となる。ドラフト会議まであと20日。議論を重ね、恋人を1人に絞り込んでいく。