ドラ1近本、矢野監督スローガン体現や!新人王&盗塁王で虎党&愛妻喜ばす
阪神からドラフト1位で指名された近本光司外野手(23)=大阪ガス=が26日、兵庫県西宮市の大阪ガス今津総合グラウンドに隣接するクラブハウスで矢野燿大監督(49)らから指名あいさつを受けた。運命のドラフト会議から一夜明け、あらためて「新人王」と「盗塁王」の獲得に意欲を見せた俊足巧打のルーキーは、矢野監督が掲げるスローガンの一つ「誰かを喜ばせる」の体現にも意気込んだ。
一夜明けても、興奮は冷めやらなかった。通い慣れた甲子園。その場所でいつもホームベースを守り抜いてきた男と、がっちり両手を握った。矢野監督から指名あいさつを受けた近本は、感無量の面持ちで口を開いた。
「思っていたような方で、とても優しくて。自分の野球観も語っていただいて、それで自分のプレーに合わせていければ」
現役時代の指揮官の印象は「僕が見ていた阪神で、ずっとスタメンマスクをかぶっていて、勝負強いバッター」。そんな矢野監督との会話では「失敗を繰り返して、どんどん先に進んでいく」という言葉が胸に響いた。理想の選手にOBの赤星を挙げ、来季は「新人王と盗塁王を目指して頑張っていきたい」と鼻息を荒くした。
それだけでない。「球団があるのはファンの方や観客、球場に来てくださった人のおかげ。まずはファンの方に感謝して、その人のためにプレーしたいと思う」と近本。“矢野3カ条”の一つである「誰かを喜ばせる」の実践を早速誓った。
誰よりも喜ばせたいのは妻・未夢さん(23)だ。3月に結婚したばかりの新婚ほやほやで12月に挙式を控える。「妻は関西希望で、今住んでるところの近くなので、それは良かったと言ってました」とはにかんだ。
矢野監督も「俺も嫁さんと結婚して、子どもが生まれてとかさ。そういうので、よりパワーってみんな出ると思う。奥さんとか子どもとかができるのは、間違いなく頑張る力になるから」と守るべき存在の大切さを口にする。来季に向け「シーズンを通して試合に出られる体力が必要」と話す近本は、栄養の源は妻の料理かと問われ「そうですね」と頬を赤らめた。
午後2時からの全体練習ではキャッチボール、打撃練習などで汗を流した。25日のドラフト指名後は電話やメールで祝福の嵐。普段は法人住宅営業部でガス機器の提案を行う近本は「トータルで300件ぐらい。(連絡を)返せてない方もいるので、これからどんどん返していきたい」。律義な営業マンは、妻と虎党を喜ばせるためタイトル奪取を目指す。