鳥谷、遊撃再奪取へ 秋季キャンプの“裏”で黙々打ち込む
遊撃再転向に挑む阪神・鳥谷敬内野手(37)が、秋季キャンプの“裏”でミニキャンプを予定していることが28日、分かった。甲子園の室内練習場で、ストレート&カーブの打撃マシン2台を相手に、オフも実戦的な打ち込みを続けていく。再起に懸ける姿が周囲に及ぼす好影響に、矢野監督も期待した。
再挑戦を図るベテランが、早くも新たな行動に出た。チームは来月1日から高知・安芸で、若手を中心に3週間弱の秋季キャンプを行う。鳥谷はこの裏で、ミニキャンプを予定している。打ち込みがメイン。球団最多安打記録を更新したベテランが、甲子園室内練習場でマシンを相手に打撃に磨きをかける。
球団関係者が明かす。「カーブマシンも安芸に持って行くのかと聞かれたので。置いて行きますよ、と言ったら『ありがとう』と。ストレートマシンと2台、置いていく予定です」。鳥谷はオフに入って既に、打撃練習を再開。連日、室内練習場で打ち込み、来季に向けて並々ならぬ覚悟で取り組んでいる。
そこに、遊撃再挑戦を志願した背景がある。矢野新監督は秋季練習初日に鳥谷と面談。「ショートで練習させてもらいたい」という要望を受け入れた。2017年シーズンで三塁にコンバートされると、今年は春季キャンプ中に大山の三塁起用が固まったことを受け、鳥谷は二塁に働きの場を移していた。3年ぶりの遊撃挑戦には不退転の覚悟がある。
今季は出場機会に恵まれない中、自己ワーストの51安打で打率・232。定位置を奪い返すために、打撃面の復調は欠かせない。決断即行動のベテランに、矢野新監督は「トリだってチャレンジしている。その姿勢は、絶対に何かしらの影響を及ぼす」と波及効果、相乗効果を期待する。
「2000本打ってチーム最多安打、生え抜きのね。そこまでやった人がもう一回、こんなにやっているんだと。勝手に影響する」
北條、熊谷、植田…。ドラフトで獲得した新人2人も加えて、ショートは最激戦区になりそうだ。毎日のように室内練習場から響く打球音。鳥谷再起、なるか。若手中心の秋季キャンプの裏で、ベテランも実りの秋を迎える。孤高のバットマンが、「2台のマシン」から復活の道を開く。