大山 4番固めバックスクリーン弾! 矢野監督うならせた

 「阪神秋季キャンプ」(4日、安芸)

 阪神・大山悠輔内野手(23)が、シート打撃で矢野監督をうならせるバックスクリーン弾を放った。高めの直球を捉えた白球は、最後まで勢いが衰えなかった。成長曲線を描く未完のスラッガーに、指揮官も来季の4番を自分自身の力でつかみ取るよう求めた。キャンプ第1クールから柵越えを量産する大山自身にも慢心はない。実りの安芸へ、貪欲に突き進んでいく。

 勢いを落とさない白球は、真っすぐに伸びていった。夢を乗せた弾道のように。大山が控えめに笑う。バックスクリーンへの一撃だ。無限大の可能性を秘めた男が、この日はシート打撃で魅せた。

 衝撃が走ったのは、2打席目だった。カウント1-1からの3球目。竹安の高めの直球に反応した。中堅・中谷がジャンプして捕球を試みるが届かない。振り抜かれた打球は、そのままバックスクリーンへと吸い込まれた。思わず、三塁守備に就いていた同期の藤谷とハイタッチ。白い歯が光った。

 キャンプ第1クール最終日は、早出ロングティーからスタートした。そしてフリー打撃ではファウルを挟んでの柵越えを4連発。2日の練習で浜中打撃コーチから田淵&門田イズムの「とにかく全力で振れ」を教わり、3日の個別特打では3本もの場外弾を放っていた。だからこそ、矢野監督も期待せずにはいられなかった。「結果的に来年、悠輔が4番になってくれたら、俺たちもうれしいこと。みんなが争った中で、悠輔がポンってそこに座るのが、俺の中での理想。4番って任される(ものだから)」。開花を待つ、未完のスラッガーへ。簡単には与えない…が、勝ち取ってほしいと思いを込めた。

 ここで立ち止まるわけにはいかない。全ては秋の成長を、来季へとつなげるために。大山自身も余念がない。そして慢心もなかった。「帰ってから、しっかり映像を見直して、自分のやりたいスイングができているのかを確認したい」。気持ちは前へ、前へだ。次の手を考える。行動にも現れていた。

 「バッティングのときの、連続写真ってないですかね」

 練習後にスポーツ紙のカメラマンに依頼。10月の秋季練習中からスイング時の右足の使い方を変えていた。わずかな変化で、どう打撃は変わるのか。その違いをパソコンの画面で確認した。

 笑顔と一発で締めくくった第1クール。指揮官からの要望は、経験もある勝負どころでの4番目の打者への就任だ。ここまでの安芸は連日の晴天に恵まれ、視界は良好。青空の下で、貪欲な姿勢のままに突き進んでいく。

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