【阪神新コーチに聞く・清水ヘッドコーチ(上)】猛虎再建へコーチ陣も意識改革
矢野燿大新監督(49)をトップに据えた阪神の秋季キャンプが高知県安芸市でスタートした。17年ぶりの最下位に終わった今季。14年ぶりのリーグ優勝を目指す来季。広島の牙城を崩すには何が必要で、何が足りないのか。「新コーチに聞く」。1回目は清水雅治ヘッドコーチ(54)。秋季練習中から飽きの来ない練習法で選手の意識改革に乗り出している新参謀は、コーチ陣にも意識改革を求めて猛虎再建に尽くす考えを示した。
◇ ◇
-ヘッドコーチという役割は初めてだが。 「正直言って、何をしたらいいのか、あんまりよく分からないんです。監督がどこを求めているのか。意図する野球は話しているし、ユニホームを脱いでいる時も食事とか一緒にしているので、大体のことは分かるんですけどね。実はあまり、自信はないです」
-コーチ陣全体も若い人が増えた。コーチ育成も必要な立場。
「僕が全部、知識や練習内容をひけらかすと、自分のカラーがなくなってしまう。そうじゃなくて、この人に教わっていればうまくなると信用されるようなコーチになってほしい。僕はコーチの方が頼み事は多いと思う。もう少し面白い練習はない?とか。考えていることを出して、と伝えてあります」
(続けて)
「今まで秋季キャンプって大体どこに行っても、同じようなメニューになってしまうんですよ。それでいいのかな、と。長年、みんながこうしているからとか、これが普通だという固定観念があると、伸びないような気がする。例えば走塁コーチにお願いしたのは、同じベースランニングでも工夫がないか、とか。ただ走らせるだけじゃ面白くないよな、とか。投手コーチには、ごめんと(笑)。僕、投手のことが一切分からない。感覚が近くなれないので、ここから僕の勉強です」
-秋季キャンプが始まった。チームの方向性、イメージとは。
「僕は広島のイメージがすごくあって。なんかすごく明るいじゃないですか。ファンは、広島に負けないくらいの力をウチは持っているので。選手が明るくなって一緒になって相手に重圧を掛けられるチームになりたい。厳しさも元気も、明るさも、全部あった方がいいんじゃないかな。そういうチームを作りたい。僕の願望です。それで相手に勝てれば。結果を出さないとつつかれるのは痛いほど分かっているので、あとは結果です」
-広島との違いは明るさ以外にもあるか。
「日本シリーズ見ました?あれだけいい投手がいたら強いですよ。それに内野も外野も円熟味を増しているというか、外野は丸がいて、誠也がいて、野間が出てきて…。内野は二遊間がガチッと決まっていてとなったら、それは強いです。だからそういう強いチームを理想像として、そこに負けないように何とかそういうチームに勝ってみたいですよね。僕が『すごい、すごい』と言っても、打者が打ってくれればいい話。それはウチの打撃コーチが何とかしてくれます。任せましょう」
-ベンチで監督の横にいる人、三塁コーチに立つ人などがいるが今、描いているのは。
「監督はコーチャーに立たないでいいということをポロっと言ってくれたので。横でサポートできるかなと。ただ、監督が迷った時に的確な誘導ができるように。成功も失敗もあると思うんですけど迷われない方の道を推せるようにしたい。そこしかできないですよ(笑)。ましてやセ・リーグでしょ。投手に代打を送ったりとか、いろいろなこと考えますよね。そこを迷われないように。僕が迷いそうですけど。不安でしようがないです(笑)」