【阪神新コーチに聞く・清水ヘッドコーチ(中)】矢野監督の野球観とすごく近い
矢野燿大新監督(49)をトップに据えた阪神の秋季キャンプが高知県安芸市でスタートした。17年ぶりの最下位に終わった今季。14年ぶりのリーグ優勝を目指す来季。広島の牙城を崩すには何が必要で、何が足りないのか。「新コーチに聞く」。以下、清水雅治ヘッドコーチ(54)の第2回。
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-今後、投手陣との関わり合いは?例えばブルペンに通うなど。
「行きます。僕、コーチ業をこれだけやっていますけど、初めてブルペンで投手の球を見られる機会をもらった。これいいなと。僕は僕の思っていることがある。投手にも少しあるんです。ブルペンって自己満足というか、すごい投げ込みとかするでしょ。でも実際、マウンドに立った時はクイックで投げることの方が多いよな、とか。自分のリズムで放れるのか、とか」
(続けて)
「練習では、クイックの方が多くならないとおかしいんじゃないの、とか。思うことがすごくあって。投手からすると、いや、ちゃんとフォームを固めたいとか、いろんな意見があると思う。すぐには突っ込みませんけど。こういう練習はどうだ、とか。ルーティンを変えたらどうだ、とか。そうしたら、ウザいコーチになってしまいますね(笑)」
-矢野監督に呼ばれたというのは、意気に感じるものなのか。
「うれしいです。僕は野球観って、誰もが持たれているものがあって、それを離れて指導するのはものすごく難しいと思う。矢野監督とは現役の時から一緒。本当にいろんなことを話していますけど、すごく近い感覚がある。だから話もするし、食事にも行く。監督になられるという時に、最初に声を掛けてもらった。他のコーチは呼んでおられないので。実際は知らなかったんです。他のコーチを呼んでいるかもしれないという疑いはありましたけど(笑)」
-いつか矢野監督になれば、一緒にやりたいと思っていた。
「ずっと思っていました。中日にいる時はこんな人になるっていう意識はなかったんですよ。中村武がいて、控えだったんでまさかと。僕は西武に行きましたけど、彼は阪神に来て『阪神をどうしても強くしたい』ってずっと言っていました。強くなりましたからね。本当に勝てるチームにしたんで、言霊じゃないですけど、やっぱり信念みたいなものはありますよね」
-若い頃、一緒に室内で打ち込んでいた。
「プロってそういうもんだと思ってました。僕は、プロに入ったら寝ずに練習してるもんだと。スポ根で育ってますんで、プロって練習して、練習して、練習してうまくなるもんだと。そこは量を求めていました。自己満足のところも求めていたんだと思います。『僕、寮行ってからいきますけど』『もちろん行くよ』っていう感じでね。もう30年近く前の話ですけどね」