【阪神新コーチに聞く・藤井彰人バッテリーコーチ(上)】箇条書きは藤井改革
矢野燿大新監督(49)をトップに据えた阪神の秋季キャンプが高知県安芸市でスタートした。17年ぶりの最下位に終わった今季。14年ぶりのリーグ優勝を目指す来季。広島の牙城を崩すには何が必要で、何が足りないのか。「新コーチに聞く」。今秋から1軍へ昇格した藤井彰人バッテリーコーチ(42)に迫る。
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-今季は主に2軍で坂本や長坂を指導し、今秋から1軍バッテリーコーチに就任。
「今年は2軍でやらせてもらって、1軍に選手が行ってくれたらうれしかったし、なんとか1軍の戦力になるようにと指導してきた。今回1軍に呼んでもらって、やらせてもらう以上は勝ちたいですから。自分がテレビを見ていて思ったことなどを伝えて、選手たちがシーズンを通して困ったことなんかを、箇条書きで書いてもらっているので」
-新たな試み。箇条書きは藤井改革。
「もうやって、キャンプに入るときにもらいましたね。甲子園で困ったこと、感じたことを教えてくれってね。矢野監督にも、選手発信でやってくれというのは常に言われていることだから。選手がどう感じているのか、どういうことをやりたいのか。それを重要視して練習をやりたいですね」
-それを受けて、選手ごとに違うメニューも。
「打撃と守備で分かれて、一人一人すごく時間が取れているスタートだった。4人ともバラバラのこと言ってくるから(笑)、みんなこれやれとかじゃないからね。行ったり来たりにはなるけど、有意義な…その選手がやりたいことを意識を持ってやっているんだろうなって。みんな体のサイズも違うし、当然僕とも違うわけで。僕のやり方を押しつけても、動けない可能性もあるから」
-大げさに言うと“個別面談”で向き合って課題を確認。
「練習中だけどね。別に部屋呼んでとかはしてないんですけど、こんなこと思っていたんだなぁって。その場で話して解決できるものもあったので、それはなしねって言ったりしてね。全部克服できたわけじゃないけど、梅野はこう考えていたんだ、原口はこう考えていたんだっていうのが僕にも分かって、それを理解した上でレベルを上げたいところも分かったから」
-シーズン中も継続する見込み?
「そこはコミュニケーションだから。シーズンが始まったら、ミーティングも入ってくるしね。キャッチャーはそんな話の方が多いんじゃないですか。選手が現場でホームベースを守るときに、どういうふうに考えていて、どういう根拠でサインを出したのか。そういう部分は理解してあげたいなと思う。やり方に間違いはないんだけど、こういう考え方もあったんじゃないかっていう引き出しは増やしてあげたい。答えが一つしかなかったらしんどい。また同じシチュエーションで、その選択肢しかなくなってしまう。発想をもっと豊かにしてあげたい。甲子園であれだけ負けているのがね。やりやすい球場だったんですよ」