ドラ3木浪 矢野野球に“フィット”や ホンダで培った「考える力」生かして
阪神からドラフト3位指名を受けた木浪聖也内野手(24)=ホンダ=が19日、東京都内のホテルで入団交渉に臨み、契約金6000万円、年俸1000万円で仮契約した。大型内野手として即戦力の呼び声が高い木浪は「チームの顔」になることを宣言。1年目から矢野野球に順応し、スターダムに駆け上がる。(金額は推定)
金びょうぶの前に座ると、徐々に表情が引き締まった。憧れの夢舞台に身を投じる来季。初々しい瞳の先に映し出されるのは“阪神の木浪”という看板選手へのスター街道だ。紺色のスーツにグレーのネクタイを締めた木浪が語気を強める。
「チームの『顔』になれるように。ファンの皆さんに、愛される選手なりたい」
チームを代表する虎戦士という理想像を追い求め「阪神に必要とされる選手になりたい」と力を込めた。畑山チーフスカウトが「スローイングが最初、目に留まった」と話したセールスポイントの守備に加え、広角に打てるバッティングを武器に存在感を示していく。
社会人野球の名門・ホンダで「考える力」を培ったという。「自分で(練習)メニューとか、今日何をするかを前の日に決めて。この1年積み重ねて、結果が出た」と自らで日々の目標設定を行い、取り組んできた。
くしくもそれは、矢野監督が2軍監督時代から訴え続けてきた「超積極的」というスローガンと通じる部分がある。初球打ちや、選手自身に判断を委ねられる盗塁のスタートなど。積極的にグラウンドを駆け回るための「準備力」の向上を強調してきた指揮官。木浪も「監督の超積極野球に、適していけるようにやっていきたい」と1年目から矢野野球にフィットしていくことを誓った。
ホンダでは2年間勤務し、主に事務仕事でパソコンとにらめっこ。ホンダ車に「愛着しかない」と満面の笑みを浮かべ、契約金は「親に少し渡して貯金します」と使い道を明かした。「1軍キャンプでアピールして、開幕1軍。レギュラーとして試合に出ること」と木浪。虎党の視線をくぎ付けにするプレーで、チームに不可欠な存在を目指していく。