矢野監督 大号令!野手全ポジション白紙 福留も糸井も「競争」
阪神の矢野燿大監督(49)が19日、野手陣に関して来季のレギュラーは白紙であることを強調した。ベテランの福留孝介外野手(41)、糸井嘉男外野手(37)についても当確ランプはともさず、競争させる方針。遊撃再挑戦を希望した鳥谷敬内野手(37)や守護神の座を目指す藤川球児投手(38)も来季の起用法は確定しておらず、全選手が来年2月1日から始まるポジション争いを意識してオフを過ごす。
秋季キャンプでつかんだ手応えがある。それを確信へと変えていくための一手を矢野監督は打った。野手全ポジションにおいてレギュラーの白紙化-。それは糸井、福留についても例外ではなかった。
今季、大半の試合でクリーンアップを任されたベテラン2人の実績、貢献度、実力、すべてをしっかりと把握している。「もちろん実績と結果は認めるし。尊重するから一番(スタメンに)近いところにはいる」と矢野監督の信頼は厚い。
それでも「理想はやっぱり競争の形。それがチームにとっても、ベテランにとっても刺激になる。今は決めない方がいいなと思う。嘉男、孝介にしてもね」と明言。実績や経験は考慮した上で、同じ土俵の上で戦わせる基本方針を貫く。
就任直後から競争の重要性、大切さを訴え、それがチーム力アップにつながると語ってきた。正捕手、開幕投手争いに続いて、オフ突入を前にあえて野手のレギュラーポジション白紙化を明言したことで、今後は選手個人の過ごし方が重要度を増してくる。
来季の起用法が確定していない鳥谷が遊撃でのレギュラー争いを希望し、藤川も守護神の座を目指す考えを語ったことにも「ああやって発言することによって、自分にプレッシャーをかけているワケやから。球児らしいなと思うし。鳥谷も『ショートをやる』と言って、自分でプレッシャーをかけてオフを過ごす。ベテランはそういう部分を意識しているかは分からないけど、知っているよね」と指揮官。ベテランに若手が勝つためには、さらなる高みを目指して日々を過ごさなければならない。
「反対に1年目のヤツなんて結構、難しい。オフは楽しいし、楽だから。そっちばかりになったら、あっという間に(周りに)離されるから」と語った矢野監督。来年2月1日のキャンプインまで約2カ月半。つかの間のオフでベテランが若手を引き離すか、それとも若手がベテランとの差を縮めるのか-。全ポジションで競争という大号令は、チーム力アップへの確かな“特効薬”になる。