球児、巨人・丸ごとG倒や 大補強の宿敵に闘志メラメラ

 阪神の藤川球児投手(38)が30日、国内FA権を行使して巨人移籍を表明した広島・丸佳浩外野手(29)の決断を歓迎した。同じプロ選手として意思を尊重すると同時に、「おめでとう」の言葉を添え、市場の活発化による日本球界の発展を喜んだ。ただ、移籍先は最大のライバル球団。ストッパー再転向を狙うベテランは、「上がっていく」とG倒で最下位からの浮上を誓った。

 一報を伝え聞いた藤川は、驚くほど満面の笑みを見せた。宿敵巨人の大補強。オリックスから中島、西武から炭谷、阪神も獲得に動いた長距離砲・ビヤヌエバ…。ここに2年連続MVPの丸が加わることになった。来季に目を向ければ、あまりに厳しく、険しい窮状。それでも、笑った。

 「決まったの?おめでとう。当然ですよ、選手としては。僕はそうあるべきだと思う。一番、評価の高いところに行くべき。プロである以上は、ですね」

 語った持論は「阪神」だけの肩書ではなく、「プロ野球選手」として抱く矜恃(きょうじ)。活発な移籍が球界の発展につながると喜ぶ。「この時期は特に、スポーツ界というか、野球界ではいい動きだと思います。こういう動きがないとプロらしくない」。世間の関心が球界に向けられ、高額の条件提示が子供の憧れ、夢を運ぶ。

 広島ファンの悲哀、巨人ファンの歓喜。賛否両論の白熱する議論もまた、野球界に新たな熱を呼ぶだろう。藤川自身、2012年オフに海外FA権を行使してMLBに挑戦。15年に自由契約となると、NPB複数球団のオファーを蹴り、独立リーグで地元高知の発展に尽力した。自由な発想が生む力を信じる。

 「FAでどんどん移籍することは、素晴らしいことだと思います。選手はしっかり評価されたところに行くべき。じゃなきゃ置いて行かれますよ、世界に。海外の野球からも」

 高いレベルでの競い合いが、プロ野球選手としての宿命。大補強を続ける巨人を倒すことに意味が、価値がある。現在、12年から7年連続で負け越し中。「監督、原さんですし。もちろん手ごわいです」と警戒を強める。リーグ3連覇中の広島に、宿敵巨人。最下位からの浮上には、多くの難関が待っている。

 藤川はこの日も甲子園に姿を見せ、室内でトレーニングを行った。ストッパー再挑戦を公言し、連日ハードな練習を続ける。「手ごわいですけど、自分たちは今年に関しては最下位だったので、上がっていくしかない。しっかり蓄えを持っていくしか方法はない」。笑顔の裏にたぎる闘志を秘めた。大補強のG倒で虎党の歓喜を呼ぶ。

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