夢はでっかく、言葉に乗せて－。阪神の才木浩人投手（２０）が１０日、三重県内で行われた「ＪＦＡこころのプロジェクト　夢の教室」に参加。子どもたちに夢の描き方を教え、自らの夢も大きく「メジャー」と語った。かなえるためには阪神での活躍が必要不可欠。まずは来季の開幕ローテ入りを目指し、開幕投手に照準を定めた。

　子どもたちのキラキラした瞳が、真っすぐに届く。先生として夢、憧れを教えた２時間。才木はその思いに、うそをつきたくなかった。「今の目標はメジャー。みんなと一緒に頑張りたい」。今すぐにではなく、将来的な話。それでも、夢をでっかく言葉にする大切さを伝えたかった。

　まだ実績はない。今季初めて１軍で勝利するなど、６勝１０敗でシーズンを終えた。今すぐに手が届く目標ではないことは、才木自身も分かっている。でも、この日の夢の教室「ユメセン」では、夢の見つけ方を熱弁した。

　「僕はとにかく野球が好きなので。やっている以上は、一流目指してやっていきたい」

　その思いは、理想像の大切さを説く矢野監督の考えに通じる部分でもあった。才木自身も高校１年の頃から、進路希望調査に何度も書き続けたという。「プロ野球選手になる」という目標。当時をこう振り返った。

　「絶対に無理だろうって言われました。でも、自分がなるって決めた以上、絶対になりたいって思っていたんです」。口にすればするほど思いは強まり、夢は近づいた。この日の授業は経験に基づいていた。

　始まりがあれば、ゴールもある。だからこそまずは、夢の続きを見せてくれた阪神での活躍を誓った。「まずは来年の開幕ローテに入ること。チャンスがあるなら開幕投手も…。狙えるときはどんどんアピールしていきたい」。今年得た経験を生かさなければ意味がない。まだまだ続く夢の途中。つかめるかどうかは自分次第だ。

　夢先生は最後に言葉を贈り、締めくくった。未来広がる子どもたちへ。「夢があるから頑張れる。挑戦した中で何かが見つかったり、出会いがある。それだけで人生って変わるんだよ」。怖がらずに、前へ。自らの手で、道を切り開いていく。