糸井独占告白 矢野監督、レギュラー白紙に「燃えています」

 振り返ります!!阪神の糸井嘉男外野手(37)が、デイリースポーツの独占インタビューに応じた。公の場では「振り返りたくない」と、拒んできた胸中を初告白。金本知憲前監督(50)へ謝罪に直接出向いたことを明かし、その上で矢野燿大監督(50)が白紙とする定位置獲りに「メラメラ燃えている」と熱き思いを語った。優勝&個人タイトルを目標に、雪辱の2019年に挑む。

  ◇  ◇

 -移籍2年目シーズンは、チームとして最下位に終わったが。

 「結果的に最下位という順位で終わった。(金本)監督もね、退任ですし。責任というか、すごくショックもあります。正直、あまり振り返りたくないシーズンでしたね」

 -打率・308、68打点、16本塁打。打率、本塁打はチームトップで、打点は福留に次ぐ数字。ケガを除けば個人成績はよかった。

 「成績自体もね、120試合(119試合)も出ていないですし。それに付いてきた数字はなんとも。物足りないですしね。まずは140試合出ないと。納得というものは、なに一つないです」

 -過去にないほど悔しいシーズンだった。

 「そうですね。過去1番、2番と言える悔しいシーズンでした。なによりも、FAで誘ってもらった監督が辞めたのが、一番ショックでしたね」

 -金本前監督とは退任後、自ら会いに行って話をしたと聞くが。

 「それは、誘っていただいた監督なので。最後はね…。ケガ(左肩けん板の部分損傷)で抹消されて、あいさつもできていなかったので。一回、会って、ちゃんとお話がしたいと思っていましたから」

 -その場での会話の内容は。

 「会った瞬間に、『お前のせいや!!』と言われました(笑)。申し訳ありません、すみません…と。僕はやるしかないですし、頑張らないといけないです」

 -矢野新監督とは話す機会もあった。

 「就任されて何日か目に、ベテランみんなで集まって、一緒に食事をする機会がありました」

 -話の内容は。

 「どういうふうにやりたいとか、オレはこんな野球がやりたいとか。すごく熱い話になりましたね」

 -金本前監督と意思疎通を図ってきた監督。やりやすさも多い。

 「全員、レギュラーは白紙と言われているのでね。燃えているのは燃えています」

 -これまで長くレギュラーとして活躍した。糸井選手でも、そんな思いになるものか。

 「そりゃあ燃えていますよ。極端に言えば、何をしてでも、蹴落とすつもりでレギュラーをとりにいく。それくらいの気持ちでやります」

 -さかのぼってもレギュラーに定着以降、「白紙」と言われたシーズンは記憶にない。

 「そうですね。なんか、メラメラするものはありますね」

 -全試合、右翼のポジションを守る覚悟。

 「そうですね。やっぱり何かタイトルを取りたい。表彰式に出たいですね。今年も、そう言っていて無理だったので。表彰式を見ていたら、やっぱいいな…と思いますね」

 -来年は、どんなシーズンにしたいのか。

 「やっぱり甲子園で勝ちたいですね。今年はだいぶ負け越した(21勝39敗2分け)ので。ホームで勝ちたい。それもあるから、監督も『ファンの方に喜んでもらう野球』を掲げていると思うので。なんとか本拠地で勝ちたい。そうすれば自然と順位も上がってくるんかなと思います」

 -あらためて1年を振り返ると。

 「終わってみたら、暗いシーズンになりました。序盤2位くらいに付けて、CSも狙えていましたしね」

 今季は6月30日のヤクルト戦(神宮)で右膝付近に死球を受け、「右足腓骨(ひこつ)骨折」。9月21日の広島戦(マツダ)では守備で、ダイビングキャッチを試みた際に、「左肩けん板の部分損傷」と、2度の離脱となった。

 -死球による骨折までは、個人タイトルを狙える位置にあった。

 「盗塁で(山田哲に)1個差までいった時ですね。でも、盗塁だけが全てじゃない。それ以外にも役割を担っているので。やっぱり大活躍したいです」

 -いまの練習内容は。

 「リハビリが多いですね。(左肩のケガが)右肩だったらヤバかった。痛めた後も注射を打ちながら試合に出ていて、監督にバレたんですよ。『お前、なんかおかしいじゃろ』って。残り少ないし、いったろうと思っていたんですけどね」

 -やはり3連覇の広島が強かったシーズン。オフに入って巨人も大補強を続ける。チームとして上がっていくために必要なことは。

 「やっぱり最下位ですからね。全体的に、全員で競争して、自分の能力を上げていかないといけない」

 -福留、鳥谷、藤川、能見…ベテランの存在感が重要になる。

 「全員でしょ。俺らは俺らで満足していない。福留さんだって、球児さんもそうでしょ。年を言い訳にはしたくないですから。むしろ今、キャリアハイを目指しているので。若手はもちろんね、全体的に。そういうのもあるから、監督もレギュラー白紙と言われているんだと思う。みんなで戦っていきたいですね」

 -個人として、今シーズンを振り返った中で、意識してトレーニングしていることは。

 「ケガもあったので、まずはそこを治すことです。いまはシーズン終了から1カ月たって、やっと徐々に体を動かしている段階です。やっぱり1年間、強い体で戦えるようにしたい。途中、ケガもありましたし、疲れもすごく感じたので。ハードにやっています。年明けからは走り込みも、ハードにやろうかなと思っています」

 -例年以上になる。

 「いや、例年通りハードに!!(笑)」

 -自主トレの場所も変えたと聞く。

 「そうそう、沖縄にしました。(これまでの)グアムでは暑くて、練習量が少なくなってしまうので」

 -来季は38歳シーズン、現時点でオフのトレーニングの中で変化を加えていることは。

 「特に変化はないですけど、少し打ち込もうかなと。膝のこととかもあって、打ち込めていなかったので。少し打ち込もうかなと。幸い、自主トレのメンバーも球界トップの選手ばかりなので。ギータ(ソフトバンク・柳田)とか正尚(オリックス・吉田)とか。やっぱりすごい選手ばかりだし、そういうメンバーとできて、僕もすごく刺激をもらうので。いいメンバーとできるな、と」

 -数字の全て物足りないと話すが特に打率、盗塁、本塁打など、こだわりたいものは。

 「今シーズンは、全てでもっといけたな、というのがあります。だから、離脱したのがものすごく悔しい。やっぱり離脱しないことが、来年は一番の目標ですね」

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