ドラ1近本 驚異のバネ男 垂直跳び、虎新人歴代1位どころか跳躍選手以上
阪神のドラフト1位・近本光司外野手(24)=大阪ガス=が驚異の身体能力の持ち主であることが12日、分かった。所用のため欠席していた新人選手の体力測定を11日に実施し、垂直跳びで92センチという歴代新人の中でトップの数値をマークした。30メートル走でも3秒87とチームトップクラスを計測。期待の即戦力ルーキーがポテンシャルの高さを示した。
大物ルーキーが早くも身体能力の高さを証明した。他の新人選手が2日に行った体力測定は所用で欠席したため、一人振り替えで計測した近本。破格の数値で周囲を驚かせた。
セールスポイントは50メートル5秒8の快足だけではない。92センチをマークした垂直跳びは阪神に入団した選手の中で最高の数値。近年の新人時代の記録と比べると横田の80センチを筆頭に、藤浪が78センチだった。それを近本が大きく上回った。
身長170センチと小柄ながら跳躍力は驚異的。かつてNBAに在籍したスーパースターのマイケル・ジョーダンは122センチと規格外だが、ハンドボール界のスター、宮崎大輔は84センチ。陸上の跳躍競技トップ選手でも70センチ台とされており、近本の跳躍力がアスリートとしてもトップクラスを誇っているのが分かる。
ジャンプ力が直接生かせるのは守備の場面だろう。フェンス際を襲う打球に対して素早く反応でき、頭上を越えそうな打球も処理できる。自慢の足と組み合わせれば、間違いなく鉄壁のディフェンスとなる。
その“足”は、30メートル走で3秒87を計測した。ドラフト2位の小幡(延岡学園)が2日の測定で新人唯一の3秒台となる3秒98を出したが、一気に抜き去った。昨年の新人トップだった島田も3秒99。チームでも植田や江越に匹敵するスピードを示した。
高い運動能力は高校時代に培われたものもある。授業では、栄養学や筋肉の仕組みなど専門的な分野を勉強。また、器械体操やバスケットボール、バレーボールと野球以外のスポーツも経験して体の動かし方を学んだ。「違うスポーツであっても野球に生かせる部分はある」。技術力向上へ、常に探求心を持ち取り組んできた。
素材は一級品。プロの舞台でどのようなプレーを見せるのか。ポテンシャルを存分に発揮して首脳陣だけでなく、虎党も魅了する。
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【阪神選手と垂直跳び】 2010年11月21日に実施された体力測定で平野恵一が85センチを記録。伊藤トレーニングコーチは「バレーボール選手なみ。すごいよ」と舌を巻いた。プロ野球選手の平均は65センチで平野は大幅に上回った。12年12月8日の新人体力測定ではドラフト2位で高卒新人の横田慎太郎が、チーム全体でもトップクラスの80センチをたたき出した。
ちなみに、かつてNBAに在籍したマイケル・ジョーダンは122センチ。ハンドボール選手の宮崎大輔でも84センチ。陸上の跳躍競技トップ選手たちは70センチ台とされる。