能見が1000万減も納得 リリーフ実績も「2カ月ぐらい戦力になってない」
阪神の能見篤史投手(39)が13日、兵庫・西宮市の球団事務所で契約更改交渉に臨み、今季年俸1億2000万円から、1000万減の1億1000万円でサインした。(金額は推定)
今シーズンは金本知憲前監督(50)の直接要請で、6月から本格的にセットアッパーに転向。交流戦中に1軍昇格を果たすと、14試合連続無失点をマークするなど輝きを取り戻した。通算100勝も達成。計45試合の登板で4勝3敗1セーブ、防御率2・56。また、リリーフに限れば42試合の登板で4勝1敗1セーブ、同0・86と抜群の安定感を誇った。来季も欠かせぬ存在だ。
意外にも見えるダウン提示には、ベテランは「2カ月くらい、戦力になってない部分あるので。そういう形でのダウンですね」と納得の表情。「一度落ちた時は、なかなか上がる機会はないかなと。金本監督からリリーフとして上げてもらって、そこから自分も新しい発見があった。野球人生において、いい意味でプラスになりました」と前を向いた。
来年5月に40歳の誕生日を迎える。阪神の生え抜き投手として40歳でシーズンを戦えば、1948年の若林忠志氏以来。同氏はこの時、プレーイングマネジャーとしてチームの指揮も執っており、選手専任では能見が球団初の偉業となる。
「ありがたいことに体は元気なので。最下位という現実があるので。その最下位をしっかり記憶として残しながら。他のチームも強くなっていますし、上は目指さないといけない。上をしっかり目指して頑張りたい」。不惑を迎えてなお衰え知らずの左腕が、最下位からの浮上を誓うチームを支える。