来季4番候補マルテ、カーネルの呪いはオレが解く!パワーはもちろん走塁も自信アリ
阪神と大筋で合意している来季の4番候補、ジェフリー・マルテ内野手(27)=エンゼルス=が米フロリダ州マイアミ市内のホテルでデイリースポーツの単独インタビューに応じた。日本行きを熱望していた新助っ人は打撃だけでなく、走塁にも自信満々。『カーネル人形の呪い』を解き、1985年以来、34年ぶり2度目の日本一に貢献することを誓った。
物静かな性格。たどたどしい英語とスペイン語を交ぜながら自分の考え、気持ちを伝えようとする姿勢に好感が持てた。
待ち望んだという阪神からのオファー。「自分は運がいいと思います。とてもハッピーです。日本でプレーすることは大きな経験だと思っていましたから」。マルテが素直な気持ちを言葉にした。
日本の球団が自分を調査していると知ったのは17年オフ。15年にデトロイト傘下3Aで同僚だった虎の守護神ドリスからは日本行きを勧められた。『阪神』を強く意識し始めたのは今季、エ軍で一緒にプレーした大谷の一言だ。「阪神ってどんなチーム?」との問いかけに二刀流は「素晴らしい球団だと思うよ」と答えたという。
歴史ある球場と熱狂的なファン。周囲から得た情報から阪神をレッドソックスやカブスに重ね合わせた。「長くチャンピオンになっていないことも『カーネル人形の呪い』のことも聞きました。来年は呪いを解くためにチームの勝利に貢献したい」。胸に秘める思いは一つ。34年ぶりの日本一だ。
チームは得点力不足に泣き、17年ぶりの最下位に沈んだ。4番候補のバットへの期待度は高い。「日本でも変わらず、長打を狙っていきたい」。打撃練習では大谷に負けない打球を飛ばす。日本の投手に合わせ、メープル材のバットの重量を減らす考えを明かすなど、準備に余念はない。
機動力野球の重要なピースにもなりうる脚力だ。「走塁には自信がある。60ヤード(約55メートル)のタイムは6秒8。この体格では平均以上のスピード。与えられた仕事をきっちりやり遂げたい」。185センチ、99キロの男が積極果敢に走る。
「ホームランを何本打ちたいとか、具体的な数字の目標はありません。自分に課せられた役割を果たし、チームの勝利に貢献したい。それだけです」
伸び盛りの27歳がチームとともに頂に向かって駆け上がる。
◆カーネル人形の呪い 1985年の阪神リーグ優勝の際、日本ケンタッキー・フライド・チキン道頓堀店のカーネル・サンダース人形が、興奮したファンによって胴上げされた後、道頓堀川に投げ込まれ行方不明に。
阪神は同年こそ日本一に輝いたが、80年代後半から成績が低迷。2003、05年のリーグ優勝時にも、日本一はならず、いつしかファンの間で「カーネル人形の呪い」とささやかれていた。その後、カーネル人形は09年3月10日に水辺工事作業中の工事関係者によって発見された。