矢野監督、新戦力の“広島&巨人キラー”ガルシアを生かす「大きな存在」

 阪神の矢野燿大監督(50)が26日、新加入が決まったオネルキ・ガルシア投手(29)に“広島&巨人キラー”への期待を寄せた。中日に在籍した今季、広島に対し3勝1敗、防御率2・88、巨人に対し3勝1敗、防御率1・80と好投した左腕。「大きい存在になるかなと思う」と語った指揮官は、上位進出への重要なカードとして生かしていく考えだ。

 上位進出へ絶対に倒さなければならないチームがある。リーグ3連覇を果たした広島と、今オフの主役として大型補強を繰り広げる巨人。その2チームに対して今季抜群の強さを誇ったのがガルシア。矢野監督は「巨人、広島というのも気になってくるところで、大きい存在になるかなと思う」と明かす。

 その理由を単純な結果だけでなく、ガルシアの投球スタイルに見いだしている指揮官。最速で140キロ台後半から150キロ台を計測するだけでなく、細かくボールを動かす技術も兼ね備えている。直球一辺倒の投手ではないからこそ「監督という立場でも、捕手という立場から考えても計算が立ちやすい投手かなと思っている」と言う。

 実際に今季、右打者の外角、左打者の懐に沈んでくるツーシームには、阪神の各打者も大いに苦しめられた。狙ってもファウルになったり、空振りを奪われるほど鋭い変化を見せる“伝家の宝刀”。さらにツーシームに意識を置きすぎると、今度は逆サイドに力強いストレートが飛び込んでくる。

 打者目線から見ればかなりの難敵であることは間違いない。さらにスライダーやカーブも使えることから、たとえ一つの球種が悪くても他でカバーすることが可能。矢野監督が言うように、しっかりと試合を作ってくれる計算が立ちやすい。

 加えて今季13勝の実績もあることから「日本の野球を経験しているという部分で言うと、他の外国人選手と違って見てみないと分からないとかではなく、計算がある程度立つ」と力を込めた指揮官。1年間、ローテを守って欲しいかの問いには「もちろん。それを追い越すような若いヤツが出てくればもっといいと思うけど」と笑みを浮かべた。

 投手陣の層は確実に厚さを増した。さらに広島、巨人に抜群の強さを誇るというガルシアのセールスポイントは何よりも大きい。来季の開幕2カード目は敵地での巨人戦。伝統の一戦に勝ち越し、広島の4連覇を阻止するために欠かせない存在になる。

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