球児「退路断つ」守護神奪取へ前進あるのみ 挑戦し続ける姿勢を後輩に見せる

 阪神の藤川球児投手(38)が15日、沖縄県のかりゆしホテルズボールパーク宜野座で、同僚の石崎剛投手(28)、オリックス・金田和之投手(28)との合同自主トレを公開。「退路を断って」挑む今季、目指すは守護神奪取だ。チャレンジを続けてきたプロ20年間。さらなる挑戦の先に何が見えるのか。後輩たちへの思い、飽くなき向上心がベテランの支えだ。

 後ろは振り向かない。藤川が守護神奪取への道を歩き始めた。「退路は断っておきたいですね、自分の中で。下がるようなことはしたくない」。『挑戦』の言葉と共に、39歳シーズンの幕が開けた。

 矢野監督に申し出た抑え再挑戦。それは単に自分自身のために-というわけではなかった。がむしゃらに取り組む仲間へ。「誰も抑えにチャレンジしなければ空かないでしょう、セットアッパーのポジションが」。そして「僕の次なるチャレンジを後輩に見せてあげないと」と言葉を続けた。伝えていきたい一流への道。それは…。

 現状維持はない。

 これまでの経験から得たのは、満足からの成長はないということ。何かをつかんでからが勝負だと、仲間に伝えたかった。「これでいいじゃなくて、足りない、足りない、足りないでいかないと、この世界は上に上がっていけない」。この日はキャッチボール、ロングティー、ウエートトレなどで調整。「じっくりゆっくりやっている。まあ順調ですよ」。常に上のステージを目指す。その重要性を体現していく1年にする。

 挑み続けた3年間だった。阪神に復帰した16年。先発に挑戦し、中継ぎへと配置転換。まず主に任されたのは敗戦処理だった。過去の実績は関係なし。それでも17年には52試合に登板し、その後は勝利の方程式の一角を担った。「信頼を得ることはめちゃくちゃ時間がかかるんです。失うのは一瞬だけど」と笑う。歩んできたのはいつも険しい道のりだった。

 「1年ずつ成長するというところでは、前年度より、というのを常に思っている。そう毎年、毎年やってきて21年になるんですけど。そういう意味で、次のチャレンジとして抑えという目標ができたということです」

 胸に秘めるのは、後輩たちへの思い…そして飽くなき向上心。雲一つない快晴の下、藤川は白い歯を見せた。「毎年そう。自分は常に1年生なんです」。プロ21年目を迎える“1年生”。挑戦の先に見える光を、今年も追い求めていく。

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