岩貞“左のエース”に名乗り 「憧れ」能見の教えを胸に開幕からフル回転誓う
阪神の岩貞祐太投手(27)が16日、左腕エース奪取を宣言した。沖縄・宜野座村で梅野隆太郎捕手(27)らとの合同自主トレを公開。今季はチームを支えてきた能見が中継ぎに転向し、空席となっている座を狙いに行く。能見とは昨年まで3年間、沖縄で合同自主トレを行ってきた。先輩の教えを生かし、大黒柱を目指す。
身を粉にして、チームのために腕を振る。背番号14が示してきてくれた姿が理想像だ。先輩に追いつき、追い越す。岩貞が左腕エースに名乗りを上げた。
「ずっと能見さんに憧れてやってきた。ずっと左のエースとしてやってこられていたので、自分もそのポジションをやりたいというか、やるぞという気持ちでやっている」
16年は10勝し、規定投球回に到達。飛躍が期待されたが、最近2年は負け越すなど、不本意な成績に終わった。13年度ドラフト1位で入団して6年目。年々強くなる自覚が、言葉となって表れた。
今年の沖縄には、追い掛けてきた先輩の姿がない。16年から3年連続で合同自主トレを行っていた能見は、今オフは甲子園を拠点にしている。
「寂しいですね」。そんな気持ちを奮い立たせてくれたのも能見だった。年明けに両家で会食。「頑張ってこいよ」。アドバイスとともに送られた言葉で、責任感は増した。
精悍(せいかん)な表情が、決意の表れだ。昨季終了時に85キロだった体重を、ランニング中心で81キロまで絞って沖縄入り。この日は体力強化中心のメニューで軽快な動きを披露した。「ここから1月、2月は投げられる体になっていくと思う」。今後はブルペン入りへ準備を整えていく。
合同自主トレ中は、能見との記憶をたどることもあれば、記録してきたメモを読み返すこともある。投手陣を支えた先輩から学んだことは、今も財産となっている。
「規定投球回数以上、投げたいと思うし、そのためには開幕から投げないといけない。シーズン通して、安定した投球をしていきたい。28歳のシーズンなので、甘えてばっかりではいられない」。岩貞は能見の教えを胸に、左腕エース道を進む。