糸原 どこでもやる!虎史上初の快挙へ…3ポジション以上でフルイニング出場あるゾ
阪神・糸原健斗内野手(26)が19日、甲子園球場で自主トレを公開した。昨季は主に二塁手として全試合に出場。今季は慣れ親しんだ二塁以外でも試合に出場することを最優先し、自身初のフルイニング出場を目指す。1シーズンで3つ以上のポジションに就いてフルイニング出場を果たせば、2リーグ分立後では球団史上初の“快挙”。虎史上最年少主将がチームのためにフル回転する。
澄んだ青空の下、糸原が高々と宣言した3年目の目標はどんな形でも試合に出続けること。二塁へのこだわりはない。どん欲な姿勢と飽くなき向上心で、今シーズンに挑む。
「まだレギュラーではない。任されたところでチームに貢献するだけ。試合に出たいので、矢野さんに言われたところをやります」
昨季はチーム唯一の全143試合に出場。その中で二塁に定着するまでは、遊撃や三塁でも先発起用された。今季も二塁で勝負するという固定観念を持つことなく、ユーティリティープレーヤーとして起用に応える。
「(昨年)143試合に出て改めて(鳥谷のフルイニング出場は)すごいなと感じた。そこを目指していかないとダメだと思う」
1年間試合に出続けることで感じた、4年連続フルイニング出場を達成した鳥谷のすごみ。全試合出場に続き糸原が目指すのはフルイニング出場。しかも鳥谷もやっていない複数ポジションでのフルイニング出場という“偉業”に臨む覚悟だ。
鳥谷が遊撃で達成したように、同一ポジションで達成することが一般的なフルイニング出場。複数ポジションでは珍しく、2リーグ分立以降、阪神では1960年に三宅秀史が三塁と遊撃で唯一達成している。糸原もそれ以来の“偉業”に挑もうとしているが、二塁、遊撃、三塁など3つ以上の守備位置で果たせば2リーグ制以降では球団史上初となる。
全試合を戦い抜くための肉体強化はばっちり。広島市内のトレーニングジム「アスリート」を拠点に鍛えてきた。「去年はケガせずにシーズンを過ごすことができた。今年もいい時間を送ることができた」と手応えを感じている。複数ポジションを守るための準備も整える。「どこを守れても悪いことはない」と春季キャンプではチームのニーズに応えるために、二塁だけでなく遊撃や三塁などの守備練習にも取り組む。
この日は甲子園でランニングやキャッチボールを行った。室内では打撃練習など約4時間汗を流した。矢野監督がレギュラーの白紙を公言し、全ポジションで争いとなる今季。「また競争になるので、チームの競争に勝って1年間チームに貢献したい」と新主将に油断はない。最下位からの巻き返しへ、糸原があふれる闘志を前面に出してチームの原動力となる。