虎のリクエスト大成功 昨季の不可解判定「対象拡大」でルール改正も
12球団監督会議が22日、東京都内のホテルで開催され、阪神からは矢野燿大監督(50)、谷本修球団本部長(54)らが出席した。会議では「リクエスト対象の拡大」など、今季のルール説明が行われた。昨季は不可解な判定に苦しめられた阪神がきっかけとなり、“改正”されたルールもあった。
今季は不可解な判定に泣かされるリスクは減った。谷本球団本部長は「去年あったことは2度と起こりえないと認識しています。去年のすっきりしなかったところは、きれいに整理していただいたと思う」と笑顔で会場を後にした。
1点目は、頭部付近への死球による危険球の判定だ。昨年8月19日・ヤクルト戦。岩田の投球が青木の頭部付近をかすめた死球と判定され、岩田は危険球で退場処分となった。
金本監督は球審に危険球判定のリクエストが可能か確認したが、対象外だったため受け入れられなかった。その後、球団は意見書を提出。結果、今季から頭部死球の判定もリクエスト対象となった。
谷本球団本部長は「当たってないと判断したら『危険球と言っていても取り消します』と説明をいただいた。一応ルール改正に貢献したかな」と話した。
もう1点は、審判の判断基準の明確化。9月24日・巨人戦ではナバーロがライナーを捕球し、一度は直接捕球でアウトと判定された。これに高橋監督が抗議すると、審判団の協議後にワンバウンド捕球の判定に覆った。球団は判定決定に対する一連の流れについて意見書を提出している。
今季も塁審より前の打球はリプレー検証の対象にはならない。この日の会議では、塁審より前の打球を判定した審判が判定に確証がない場合、審判団は協議するが、映像で再確認をしないため、決定的な証拠がない限りは簡単に判定を変えない方針を説明された。
また、6月29日・ヤクルト戦では北條の守備でスリーフィートの適用がされなかったことがあった。これは昨季の時点で回答を受けているが、この時も意見書を提出したことで審判がミスを認めた。
谷本球団本部長は「審判が判断される部分は依然としてリプレー検証の対象にはなりませんが、神宮の件も、タッチしに行ったかどうかじゃなく、走路を外れたのと一緒で、というふうに変えていただいた」と話した。
一方で、一瞬で難しい判断が迫られる審判に対する敬意は変わらない。「あくまで審判へのリスペクトを失わずにやっていきたい」と同本部長。気持ちよく開幕を迎える準備は整った。