藤浪、武豊塾でしなや化 1日50種類以上!新トレーニングの全容明らかに

 今オフ、阪神の藤浪晋太郎投手(24)は、JRA騎手の武豊(49)が総合プロデューサーを務める京都市内のジムへ通い、汗を流している。その“武豊塾”への潜入取材にデイリースポーツ・トラ番が成功。新トレーニングの全容が明らかになるとともに、成果が数値にも表れていることが判明した。ジムのCEOで理学療法士の長谷川聡氏(41)は、近年の不振原因のひとつに「筋肉の増加」を挙げ、“しなやかさ”を取り戻すことが復活の鍵であることを明かした。

 とてもジムのそれとは思えない、おしゃれなバーを思わせる入り口。その扉の向こうで藤浪は必死に汗を流していた。振動するプレートや、バランスボールの上、あるいは壁全面に敷かれた鏡の前で行う、さまざまなトレーニングを黙々とこなしていく。「約80種類の必要なメニューを挙げているんですけど、その中で50種類以上を1日でやっています」。付きっきりで指導を続ける『テイクフィジカルコンディショニングジム』のCEO・長谷川氏が説明する。

 藤浪が親交のある武豊の紹介を経て、本格的にジムに通いだしたのは昨年12月頭。週3回ペースで通い、2時間半から3時間、「肩甲骨周辺や股関節を中心に可動域を広げ、柔軟性を高める」、「コア(インナーマッスル)を強くすることで体幹を鍛え、バランス力を高める」ことを主目的としたトレーニングを積んでいる。

 高卒新人として10勝をマークしたのが2013年。その後も11、14勝と勝ち星を伸ばしたが、4年目以降は7、3、5勝と低迷が続く。長谷川氏は「一番思うのはウエートなどでごっつくなったことかな」と原因を分析。「“出力”を上げるために筋肉をつけて…大きくなることはいいことなんですけど、可動域といったところにも、もう少し目を向けていれば違ったかもしれない」と理学療法士としての見解を述べた。

 ジムでのトレーニングを開始して約1カ月半。成果は数字にも表れている。取材時に行われた、国際的に用いられている身体評価測定法『FMS』(※1)のテストでは(1)胸椎、肩甲骨の可動性(2)股関節の可動性(3)股関節の動きにも関わるハムストリングス(太もも裏の筋肉)の柔軟性。その3項目で点数がアップしていた。

 狙い通りの結果に「何より投げていてすごく実感があるので」と藤浪。「テークバックが大きく取りやすいなとか、踏み込んだ方の足にしっかり体が乗ってスムーズだなとか」と手応えは十分だ。長谷川氏は「高卒1年目の頃は、体は細かったけど“しなやかさ”が売りだった。今の体のまま、それが戻ってくれば、全然変わってくる」と断言する。

 キャンプにも同氏作成のメニューを持ち込み、トレーニングを継続する。パワーアップした肉体に柔軟性が加われば-。“ニュー藤浪晋太郎”が、マウンドで躍動するシーンが待ち遠しい。

 ※1…『ファンクショナル・ムーブメント・スクリーン』。7つの動作テストを行い、体の柔軟性、可動性、安定性、連動性などを評価。身体機能特性を測り、問題点を大まかに抽出する。1つのテストにつき0~3点評価で、満点は21点。フィットネスジムなどで、トレーニングメニュー作成にも使用されている。

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